a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

生態毒性

最近読んだ論文のメモ: transcriptome実験の再現性・河川水に曝露した巻貝のcDNA-AFLP

「Ecotoxicogenomicsにおけるマイクロアレイ実験の再現性:lab間比較」 Vidal-Dorsch D.E., Bay S.M., Moore S., Layton B., Mehinto A.C., Vulpe C.D., Brown-Augustine M., Loguinov A., Poynton H., Garcia-Reyero N., Perkins E.J., Escalon L., Denslow…

最近読んだ論文のメモ: 汚染と遺伝的多様性・野外集団とlab集団の感受性の違い

汚染と遺伝的多様性、汚染と適応adaptation(遺伝的な変化)あるいは順応acclimation(非遺伝的で可逆的な変化)について。 「北極海ヨコエビ集団の遺伝的多様性とレジリエンスに関連した局所的な汚染」 Bach L., and Dahllöf I., 2012, Local contamination…

最近読んだ論文のメモ: omicsデータの用量応答モデル

「omicsデータの用量応答モデル」 Smetanová S., Riedl J., Zitzkat D., Altenburger R. and Busch W., 2015, High throughput concentration‐response analysis for omics datasets, Environ. Toxicol. Chem., 34 (9), 2167-2180. 個体レベルではS字型の曲…

最近読んだ論文のメモ: 遺伝子発現レベルでのSSD・類似度検定PERMANOVA

「遺伝子発現レベルでの種感受性分布 SSD」 Yan Z., Yang N., Wang X., Wang W., Meng S. and Liu Z., 2012, Preliminary analysis of species sensitivity distribution based on gene expression effect, Sci. China Earth Sci., 55(6), 907-913. Cd, Cu, …

環境毒性学会@東洋大

発表してきました。楽しかったです。修士の時にも参加しておけば良かった。好きな論文の著者を実際に見られるだけで、割とテンション上がりました。 底質毒性が幾度か話題にあがってました。しかしやらなきゃいけないね、みたいな話が中心で科学的な検討はま…

最近読んだ論文のメモ: bioavailability考慮したTIE・底質関連の細菌群集・在来種を用いた毒性試験

「中国南部の都市河川底質におけるTIE: bioavailability考慮」 Yi X., Li H., Ma P. and You J., 2015, Identifying the causes of sediment‐associated toxicity in urban waterways in South China: Incorporating bioavailabillity‐based measearuments i…

最近読んだ論文のメモ: cDNA-AFLPのばらつき・omicsデータのばらつき

「cDNA-AFLPのばらつきの原因」 Weiberg A. and Karlovsky P., 2009, Components of variance in transcriptomics based on electrophoretic separation of cDNA fragments (cDNA‐AFLP), Electrophoresis, 30(14), 2549-2557. cDNA-AFLPのデータのばらつきは…

WET2015@日本大に行ってきた

水環境学会の英語版 WET (Water and Environment Technology Conference) に参加してきました。御茶ノ水の日本大学で昨日8/5から今日8/6開催でした。 ありがたいことにポスター賞頂きました。嬉しい反面、特に手ごたえがあったわけでもなく、学会の賞ってこ…

最近読んだ論文のメモ: 遺伝的多様性へのフィードフォワード・汚染への適応・低酸素曝露に対する遺伝子発現

「遺伝的多様性への正のフィードフォワードループ」 Lynch M, 2015, Genetics: Feedforward loop for diversity, Nature, 523, 414-415. ニュース記事。原著(Yang S et al., 2015, Nature)はチラ見のみ。 ヘテロ接合度が高いと突然変異率(mutation rate)…

最近読んだ論文のメモ: 複合毒性のGLMM解析・p値の誤解

「omicsの問題点」 Livingstone S.G., Smith M.J., Silva D.S. and Upshur R.E., 2015, Much ado about omics: welcome to ‘the permutome’, J. Evaluation Clinical Practice, in press. タイトルのpopさにつられて読んだけど、中身はなさそうです。transcr…

最近読んだ論文のメモ: cDNA-AFLPの注意点・類似度の算出・泳動のずれ補正

「生態リスク評価において何を守るべきか、常に問い続ける必要」 Iwasaki Y. and Clements W.H., 2015, A Continuous Need To Determine What We Should Protect In Ecological Risk Assessments, Environ. Sci. Technol., in press. 割とタイトル通りのview…

最近読んだ論文のメモ: 継代飼育による多様性損失・AFLPの統計解析・その他AFLP論文

「実験室での飼育による遺伝的多様性の損失」 Nowak C., Vogt C., Diogo J.B. and Schwenk, K., 2007, Genetic impoverishment in laboratory cultures of the test organism Chironomus riparius, Environ. Toxicol. Chem., 26(5), 1018-1022. 一般的な毒性…

最近読んだ論文のメモ: 内因性ノイズと外因性ノイズ・Niの毒性機構・AFLPにおけるヘテロ接合度の算出

「単一細胞における確率論的な遺伝子発現」 Elowitz M.B., Levine A.J., Siggia E.D. and Swain P.S., 2002, Stochastic gene expression in a single cell, Science, 297(5584), 1183-1186. 難しくてあまり理解できなかった…。内因性ノイズとかでググると、…

最近読んだ論文のメモ: 沿岸域での炭素吸収・UとCdの複合影響・底質の沈降

「海洋生物地球化学:沿岸域の炭素」 Gruber N., 2015, Ocean biogeochemistry: Carbon at the coastal interface, Nature, 517, 148-149. ニュース記事。元になっているのはLaruelleら(2014)の論文。 沿岸域は大気中CO2の大きな吸収源になっているとの報告…

最近読んだ論文のメモ: Welchのt検定・個体差と環境変動・遺伝子発現と親の産地

「海洋での"閉鎖的な"ネットワーク」 Limardo A.J. and Worden A.Z., 2015,Microbiology: Exclusive networks in the sea, Nature, 522, 36-37. Natureのニュース記事。藻類と細菌の間での物質のやりとりに関する話。藻類の種は同じでも系統strainが変わると…

最近読んだ論文のメモ: UCMとPAHのbioavailability・集団内・間の遺伝子発現のばらつき

「UCMがPAHのbioavailabilityに与える影響」 Du J., Mehler W.T., Lydy M.J. and You, J., 2012, Toxicity of sediment-associated unresolved complex mixture and its impact on bioavailability of polycyclic aromatic hydrocarbons, J Hazard. Mater., …

最近読んだ論文のメモ: ブラジルと中国の底質汚染・多変量解析による汚染底質の分類

「ブラジルにおける下水流出が底質汚染に及ぼす影響」 Abessa D.M., Carr R.S., Rachid B.R., Sousa E.C., Hortelani M.A. and Sarkis J.E., 2005, Influence of a Brazilian sewage outfall on the toxicity and contamination of adjacent sediments, Mar.…

最近読んだ論文のメモ: 東京湾底質の汚染・遺伝子発現の個体差

「東京湾底質のLAS・LAB汚染」 Hideshige T., Ishiwatari R. and Norio O., 1992, Distribution of linear alkylenzenes (LABs) and linear alkylbenzene sulphonates (LAS), Estuar. Coast. Shelf Sci., 35, 141-156. 前回に続き、東京湾底質の微量物質汚染…

最近読んだ論文のメモ: 東京湾底質の汚染・二枚貝のマーカー遺伝子

「東京湾底質の微量物質汚染のターゲット・スクリーニング分析」 Pan S., Kadokami K., Li X., Duong H.T. and Horiguchi T., 2014, Target and screening analysis of 940 micro-pollutants in sediments in Tokyo Bay, Japan, Chemosphere, 99, 109-116. …

最近読んだ論文のメモ: 雨水と底質とWET・HOCの分配とDO

「雨水と底質の汚染評価における従来・新規の毒性試験手法の役割」 Burton G.A., Pitt R. and Clark S., 2000, The role of traditional and novel toxicity test methods in assessing stormwater and sediment contamination, Crit. Reviews Environ. Sci.…

最近読んだ論文のメモ: トランスクリプトームによる汚染源の推定

「転写産物のプロファイリングによる水試料の汚染源と汚染影響の同定評価」 Hasenbein M., Werner I., Deanovic L.A., Geist J., Fritsch E.B., Javidmehr A., Foe C., Fangue N.A. and Connon R.E., 2014, Transcriptomic profiling permits the identifica…

最近読んだ論文のメモ: 個体群増加率と捕食圧 ・ lower-level elasticity ・ クルマエビの腸内細菌叢

「D. galeata生活史感度と個体群レベルのp-ノニルフェノールの影響」 Tanaka Y. and Nakanishi J., 2001, Life history elasticity and the population‐level effect of p‐nonylphenol on Daphnia galeata, Ecol. Res., 16(1), 41-48. カブトミジンコDaphnia…

論文「オオミジンコの遺伝子発現を用いた3つの異なるストレス要因のプロファイリング」

生物の遺伝子発現と環境要因の関係について。 「こういう環境要因(例:化学物質曝露とか温度などの物理的要因)によって〇〇遺伝子の発現が変動する」という遺伝子発現のプロファイリングをおこなった既存研究は数多くあります(参考:こちら・こちら)。 …

論文「ニトロフラゾン曝露に対する繊毛虫カタラーゼの用量応答反応:酵素活性とmRNA発現」

最近読んだ論文は、マーカー遺伝子の発現変動と有害物質の曝露濃度との関係を直線で近似していました。曝露濃度が最大でもLC50の1/10なので線形モデルで上手くフィットしたのでしょうが、それってどうなんだろうと思って下の論文を読んでみました。 Li J., …

論文「異なる曝露時間で自然・化学ストレスを与えたヒメミミズの遺伝子発現解析」

ヒメミミズEnchytraeus albidus を使って2,4,21日間曝露試験を行い、生存個体の遺伝子発現をマイクロアレイによって解析した論文。 曝露物質は銅とフェンメデファン(除草剤)で、土壌にスパイク。また土壌の粒径やpHが異なる曝露系も実施。21日というのは、…

論文「混合物と地下水がオオミジンコの転写産物に与える影響の評価」

環境中にある有害物質が1つの物質単独で存在することは非常にレアなケースです。多くは、複数の有害物質が同時に存在しています。 そのように複数の有害物質が混在する際の毒性影響は、物質が単一で存在する場合の毒性影響と異なるのでしょうか。例えば単一…

論文「湖沼底質の有機汚濁物質がDaphniaの休眠卵からの孵化に影響する」

Daphniaの乾燥卵殻 (dried ephippium) を、Greifensee湖の底質に曝露させてみた研究。15日間でのふ化率は、曝露させた系での方が高かったようです。 ちょっと意外な結果でしたが、ストレスのある環境で卵のまま死んでしまうのを防ぐために早くふ化する戦略を…

論文「Ni, ZnのDaphniaへの複合影響は、影響の度合いによって相乗的になったりならなかったりする」

ETCから来た新着論文のアラートにあったもの。まだ要旨しか見れないけど、面白そうだったのでメモしておきます。影響レベルの高い物質・濃度同士を組み合わせると相乗効果だが、影響の低い物質・濃度同士ならば濃度加算モデル(CA model)で説明できる、という…

論文「ゼブラフィッシュと水浄化技術:有害な都市排水の対策としてのバイオリテンション」

路面排水の生態毒性評価に関する論文。具体的な毒性低減策と結びつけた研究はあんまり見たことがなかったので、メモ。高速道路で採取した路面排水を土壌カラムに通して、ゼブラフィッシュの毒性試験をおこなったもの。 McIntyre J.K., Davis J.W., Incardona…

論文「水生甲殻類RNAの簡易迅速な固定法」

RNA固定のTips論文。 Heckmann L-H et al., 2007, A simple method and rapid method for preserving RNA of aquatic invertebrates for ecotoxicogenomics, Ecotoxicol., 16, 445-447. Daphniaなどの水生生物のRNA固定をおこなうとき、水を除去するのが困難…