a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

生態系

論文のメモ: 最近読んだヨコエビ系の話(共食い・光走性)

ヨコエビが出てくる論文。生態毒性と関連するのもあったり、なかったり。 「抗うつ剤はヨコエビを光の方へ向ける」 Guler Y, Ford AT, 2010, Anti-depressants make amphipods see the light, Aquatic Toxicol 99:397-404. 選択的セロトニン再取り込み阻害作…

論文のメモ: 外来鳥類の定着成功を決めるのは?

「成功した侵略種の生活史を解明する」 Sol D, Maspons J, Vall-Llosera M, Bartomeus I, García-Peña GE, Piñol J, Freckleton RP, 2012, Unraveling the life history of successful invaders, Science 337: 580-583. ここ最近読んでいたinvasion success…

論文のメモ: 外来種と化学物質汚染 その2

前回の続き。前回は、外来種の方が高い汚染耐性を持つという報告を中心に見ましたが、今回はその逆の話。 「在来種の二枚貝は外来種より耐性が高いのか?」 Faria M, López MA, Díez S, Barata C, 2010, Are native naiads more tolerant to pollution than …

論文のメモ: 外来種と化学物質汚染

外来種って応用的な問題であって、純粋科学の扱うトピックではないと勝手に思ってましたが、そんなことないかも。壮大な野外実験だと思えば、結構面白い。 「侵略種はランダムに選ばれているわけではない」 Karatayev AY, Burlakova LE, Padilla DK, Mastits…

論文のメモ: メタゲノム情報の保存庫としての貝殻

気晴らしで読んだ論文。 「メタゲノムアーカイブとしての貝殻」 Coutellec MA. 2017. Mollusc shells as metagenomic archives: The true treasure is the chest itself. Mol Ecol Resources 17(5): 854-857. Der Sarkissianら (2017) の解説記事。貝殻のDNA…

論文のメモ: 侵略的外来種なヨコエビの話

「侵略的ヨコエビになる方法:生活史形質の比較」 Grabowski M, Bacela K, Konopacka A. 2007. How to be an invasive gammarid (Amphipoda: Gammaroidea)–comparison of life history traits. Hydrobiologia 590(1), 75-84. ヨーロッパにおける旧ヨコエビ亜…

論文のメモ: NGSでミトコンドリアDNAの全長解析

D2のWさん関係で、環境DNAに最近興味あり。 「古腹足類のミトコンドリアゲノム全長配列」 Williams S.T., Foster P.G., and Littlewood D.T.J., 2014, The complete mitochondrial genome of a turbinid vetigastropod from MiSeq Illumina sequencing of ge…

論文のメモ: 環境DNAを用いた遺伝的多様性の解析

「環境DNAから推察されるジンベエザメ集団の特性」 Sigsgaard E.E., Nielsen I.B., Bach S.S., Lorenzen E.D., Robinson D.P., Knudsen S.W., Pedersen M.W., Jaidah M.A., Orlando L., Willerslev E., Møller P.R., and Thomsen P.F., 2016, Population cha…

論文のメモ: 甲殻類と細菌の関係

気晴らしで読んでみた論文。自分自身の研究との関連は特にないです。 「海産ヨコエビの新しい体表面共生細菌」 Gillan D.C. and Dubilier N., 2004, Novel epibiotic Thiothrix bacterium on a marine amphipod, Applied Environ. Microbiol., 70 (6), 3772-…

論文のメモ: ヨコエビの慢性試験用の人工淡水

「人工淡水におけるヨコエビの活動に及ぼす臭素の影響」 Ivey C.D. and Ingersoll C.G., 2016, Influence of bromide on the performance of the amphipod Hyalella azteca in reconstituted waters, Environ Toxicol Chem, accepted. ヨコエビの飼育・慢性…

最近読んだ論文のメモ: 仮説検定の報告の仕方・nMDSデータの示し方

日野明徳, 2015, 環境影響評価における海と陸の同床異夢, 日本水産学会誌, 81(2), 205-205. 「代表生物種」を決めて環境評価をおこなうプロセスは妥当なのか、という問題提起。耳の痛い話です。 静的な現象のみ対象にしていれば、代表種を決めるのもおかしな…

本「海と湖の貧栄養化問題」

浦瀬先生のHPで紹介されていた本*1。早速読んで正解。妄想の広がる良書でした。 山本民次, 花里孝幸, 2015, 海と湖の貧栄養化問題, 地人書館. 水環境での過剰な栄養塩によって植物プランクトンが異常増殖し、アオコや赤潮が発生する、富栄養化。そのピークは…

最近読んだ論文のメモ: 環境要因と群集構造の比較法 (CCA, RDAなど)

前回に引き続き、類似度データ解析法の勉強中。 しかしいろんな多変量解析手法がありすぎて、ちょっとパンクしそうです。たくさんの手法をざざっと見る段階は終えて、そろそろ一つ・二つの手法を深く理解しなければ…。 下の総説3つを読んで、基礎理解。 長谷…

最近読んだ論文のメモ: 類似度のグループ間比較法について (perMANOVA, ANOSIMなど)

前回に引き続き、類似度のデータ解析方法を勉強中。特に生態学分野での、群集間における種構成の比較法。どれもあまり真面目には読んでません。 色々読んでると、類似度を算出するためのデータ前処理法が結構バラバラです。log変換、2乗根変換など。 「ヤナ…

最近読んだ論文のメモ: bioavailability考慮したTIE・底質関連の細菌群集・在来種を用いた毒性試験

「中国南部の都市河川底質におけるTIE: bioavailability考慮」 Yi X., Li H., Ma P. and You J., 2015, Identifying the causes of sediment‐associated toxicity in urban waterways in South China: Incorporating bioavailabillity‐based measearuments i…

最近読んだ論文のメモ: 遺伝的多様性へのフィードフォワード・汚染への適応・低酸素曝露に対する遺伝子発現

「遺伝的多様性への正のフィードフォワードループ」 Lynch M, 2015, Genetics: Feedforward loop for diversity, Nature, 523, 414-415. ニュース記事。原著(Yang S et al., 2015, Nature)はチラ見のみ。 ヘテロ接合度が高いと突然変異率(mutation rate)…

最近読んだ論文のメモ: SOMでの汚染源推定・GLM・実験室で使用する溶媒のハザード点数

「SOMを用いた底質重金属汚染源の推定」 Pandey M., Pandey A.K., Mishra A. and Tripathi B.D., 2015, Application of chemometric analysis and self Organizing Map-Artificial Neural Network as source receptor modeling for metal speciation in rive…

最近読んだ論文のメモ: cDNA-AFLPの注意点・類似度の算出・泳動のずれ補正

「生態リスク評価において何を守るべきか、常に問い続ける必要」 Iwasaki Y. and Clements W.H., 2015, A Continuous Need To Determine What We Should Protect In Ecological Risk Assessments, Environ. Sci. Technol., in press. 割とタイトル通りのview…

最近読んだ論文のメモ: 継代飼育による多様性損失・AFLPの統計解析・その他AFLP論文

「実験室での飼育による遺伝的多様性の損失」 Nowak C., Vogt C., Diogo J.B. and Schwenk, K., 2007, Genetic impoverishment in laboratory cultures of the test organism Chironomus riparius, Environ. Toxicol. Chem., 26(5), 1018-1022. 一般的な毒性…

最近読んだ論文のメモ: 内因性ノイズと外因性ノイズ・Niの毒性機構・AFLPにおけるヘテロ接合度の算出

「単一細胞における確率論的な遺伝子発現」 Elowitz M.B., Levine A.J., Siggia E.D. and Swain P.S., 2002, Stochastic gene expression in a single cell, Science, 297(5584), 1183-1186. 難しくてあまり理解できなかった…。内因性ノイズとかでググると、…

最近読んだ論文のメモ: 沿岸域での炭素吸収・UとCdの複合影響・底質の沈降

「海洋生物地球化学:沿岸域の炭素」 Gruber N., 2015, Ocean biogeochemistry: Carbon at the coastal interface, Nature, 517, 148-149. ニュース記事。元になっているのはLaruelleら(2014)の論文。 沿岸域は大気中CO2の大きな吸収源になっているとの報告…

最近読んだ論文のメモ: Welchのt検定・個体差と環境変動・遺伝子発現と親の産地

「海洋での"閉鎖的な"ネットワーク」 Limardo A.J. and Worden A.Z., 2015,Microbiology: Exclusive networks in the sea, Nature, 522, 36-37. Natureのニュース記事。藻類と細菌の間での物質のやりとりに関する話。藻類の種は同じでも系統strainが変わると…

最近読んだ論文のメモ: 遺伝的変異と遺伝子発現

「遺伝的変異と環境のばらつきが遺伝子発現に与える影響」 Scott C.P., Williams D.A. and Crawford D.L., 2009, The effect of genetic variation and environmental variation on metabolic gene expression, Mol. Ecol., 18, 2832-2843. 魚類などを使った…

最近読んだ論文のメモ: ETCのperspectives(omicsの応用)

「omics手法は環境評価に適用できるか?」 Bencic D.C., 2015, The Challenge: Real‐world application of ‘omics endpoints, Environ. Toxicol. Chem., 34(4), 700-700. Biales A.D., Fritsch E.B. and Connon R.E., 2015, In Response: Integration of ‘om…

第49回 水環境学会年会@金沢大

行ってませんが、年会講演集をゲットしたのでざっと見てみました。 面白そうだった研究と思ったことをメモ。 海面ミクロ層(Sea Surface Microlayer; SML)の微生物に着目した研究(2-C-09-4)。なんでも海面の最表層わずか1 mm未満の層のことをSMLと呼ぶそ…

最近読んだ論文のメモ: 個体群増加率と捕食圧 ・ lower-level elasticity ・ クルマエビの腸内細菌叢

「D. galeata生活史感度と個体群レベルのp-ノニルフェノールの影響」 Tanaka Y. and Nakanishi J., 2001, Life history elasticity and the population‐level effect of p‐nonylphenol on Daphnia galeata, Ecol. Res., 16(1), 41-48. カブトミジンコDaphnia…

最近読んだ論文のメモ: 個体群と休眠 ・ 実験室と野外個体群 ・ 融雪剤と浸透土壌

「休眠に投資する個体群の増加ポテンシャルの推測」 Montero-Pau J., Gabaldón C., Carmona M.J. and Serra M., 2014, Measuring the potential for growth in populations investing in diapause, Ecol. Model., 272, 76-83. 休眠卵を持つなど、一時的に休…

Rを用いた絶滅確率のモンテカルロシミュレーション:その2

Rで遊ぶのがすっかり楽しくなってきました。 その1に続いて、ファットヘッドミノーの生命表を使います(Miller and Ankley, 2004)。今度は初期個体数による絶滅確率の違いを検討してみます。その1ではw(9,2,0)の初期個体数11匹で計算していましたが、その…

個体群行列データベースComadre & Compadre

個体群行列のデータベースなるものが公開されているみたいです。 https://compadredb.files.wordpress.com/2014/10/compadreposter-japanese.pdf さっそくのぞいてみましたが、動物用のデータベースComadreはまだ建設中のようです。 植物用のCompadreを見て…

Rを用いた個体群増加率の感度解析

行列モデルを用いた個体群レベルの生態毒性評価について(参考:こちら)。 個体群の増加率(population growth rate)に対する各生活史変量aij(vital rates)の感度(sensitivity)は下の式で求められます。 ここでw,vはそれぞれ射影行列の右側固有ベクト…