a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文

論文のメモ: トンネル洗浄水による遺伝子発現変動

「交通関係の汚染に曝露されたブラウントラウトの肝臓の遺伝子発現プロファイル」 Meland S, Farmen E, Heier LS, Rosseland BO, Salbu B, Song Y, Tollefsen KE, 2011, Hepatic gene expression profile in brown trout (Salmo trutta) exposed to traffic …

論文のメモ: 生態毒性研究へのWGCNAの適用

重み付き遺伝子共発現ネットワーク解析(WGCNA; weighted gene co-expression network analysis)のはなし。 「遺伝子共発現ネットワークによるDaphniaの繁殖影響予測」 Asselman J, Pfrender ME, Lopez JA, Shaw JR, De Schamphelaere KAC, 2017, Gene co-e…

論文のメモ: Zebrafishのマイクロアレイメタ解析

「化学物質曝露後のゼブラフィッシュ胚のトランスクリプトーム:メタ解析」 Schüttler A, Reiche K, Altenburger R, Busch W. 2017. The transcriptome of the zebrafish embryo after chemical exposure: a meta-analysis. Toxicol Sci, 157 (2), 291-304. …

論文のメモ: ヨコエビの巣穴潜り

ヨコエビは負の光走性だが、産まれたばかりの個体は正の光走性だと前回の論文にありました。自分の飼っているヨコエビは歳をとるほど穴に潜らなくなるので、てっきり逆かと思ってました。この現象に光走性は無関係で、別の要因が関係しているのかも。 「底質…

論文のメモ: 最近読んだヨコエビ系の話(共食い・光走性)

ヨコエビが出てくる論文。生態毒性と関連するのもあったり、なかったり。 「抗うつ剤はヨコエビを光の方へ向ける」 Guler Y, Ford AT, 2010, Anti-depressants make amphipods see the light, Aquatic Toxicol 99:397-404. 選択的セロトニン再取り込み阻害作…

論文のメモ: 底質の金属毒性

「底質中の金属毒性の予測」 Simpson SL, Batley GE, 2007, Predicting metal toxicity in sediments: a critique of current approaches, Integr Environ Assess Manag 3:18-31. 総説。以下に簡単なまとめ。 底質の金属毒性を考えるときは、生物種による違…

論文のメモ: 外来鳥類の定着成功を決めるのは?

「成功した侵略種の生活史を解明する」 Sol D, Maspons J, Vall-Llosera M, Bartomeus I, García-Peña GE, Piñol J, Freckleton RP, 2012, Unraveling the life history of successful invaders, Science 337: 580-583. ここ最近読んでいたinvasion success…

論文のメモ: 外来種と化学物質汚染 その2

前回の続き。前回は、外来種の方が高い汚染耐性を持つという報告を中心に見ましたが、今回はその逆の話。 「在来種の二枚貝は外来種より耐性が高いのか?」 Faria M, López MA, Díez S, Barata C, 2010, Are native naiads more tolerant to pollution than …

論文のメモ: 外来種と化学物質汚染

外来種って応用的な問題であって、純粋科学の扱うトピックではないと勝手に思ってましたが、そんなことないかも。壮大な野外実験だと思えば、結構面白い。 「侵略種はランダムに選ばれているわけではない」 Karatayev AY, Burlakova LE, Padilla DK, Mastits…

論文のメモ:ヨコエビ飼育のための人工海水の素

「汽水産端脚類を用いた慢性非致死底質バイオアッセイ」 Emery VL, Moore DW, Gray BR, Duke BM, Gibson, AB, Wright RB, Farrar JD, 1997, Development of a chronic sublethal sediment bioassay using the estuarine amphipod Leptocheirus plumulosus (S…

論文のメモ: メタゲノム情報の保存庫としての貝殻

気晴らしで読んだ論文。 「メタゲノムアーカイブとしての貝殻」 Coutellec MA. 2017. Mollusc shells as metagenomic archives: The true treasure is the chest itself. Mol Ecol Resources 17(5): 854-857. Der Sarkissianら (2017) の解説記事。貝殻のDNA…

論文のメモ: 遺伝子ネットワーク推定とAOP

マイクロアレイやRNA-seqのデータから遺伝子間の関係(ネットワーク)を推定し、有害物質によって引き起こされる悪影響adverse outcomesのメカニズムを明らかにしようという研究について。 「システム生物学アプローチによってNarcosisのCa依存メカニズムを…

論文のメモ: 水生生物の体内に蓄積した金属の細胞内局在と毒性影響との関係

このへんの論文と関係ある話。体内の全蓄積量よりも、解毒された量を除いた画分の量の方が、毒性影響に関係しているのではないかという話。 「二枚貝におけるCd・Znの細胞内局在:MSFとBDMの重要性」 Wallace WG, Lee BG, Luoma SN. 2003. Subcellular compa…

論文のメモ: 侵略的外来種なヨコエビの話

「侵略的ヨコエビになる方法:生活史形質の比較」 Grabowski M, Bacela K, Konopacka A. 2007. How to be an invasive gammarid (Amphipoda: Gammaroidea)–comparison of life history traits. Hydrobiologia 590(1), 75-84. ヨーロッパにおける旧ヨコエビ亜…

論文のメモ: 環境毒性分野での遺伝子発現データと機械学習

マイクロアレイやRNA-seqの遺伝子発現データから、機械学習を使って情報を引き出す話。例えば、発がん性物質に曝露したデータと曝露してないデータを与えて、発がん性の有無を識別できる遺伝子(バイオマーカー)を探索する研究などがあるかと思います。昔こ…

論文のメモ:ヨーロッパの新しい水質モニタリング (EDAや網羅的な化学分析)

年始に参加させてもらった、混合物・複合影響評価に関する勉強会。その内容に近い論文を読んでみました。 ヨーロッパでの水質モニタリングの話。 河川には人為起源の多数の化学物質が含まれるので、決められた少数の物質だけモニタリングの対象にしていては…

論文のメモ: トキシコゲノミクスのデータベースを生態毒性学に活用した例

トキシコゲノミクス(toxicogenomics)は、トキシコロジー(toxicology, 毒性学)とゲノミクス(genomics, ゲノム学)をあわせた言葉で、遺伝子の変異や発現変動を網羅的に見ることで生体内で生じる毒性影響のメカニズムを理解しようという学問です。 Compar…

リアルタイムPCRで発現量比の差を解析する統計的手法

リアルタイムPCRで発現解析時の統計手法 遺伝子Aの発現量が条件αと条件βで変わらないかどうか、リアルタイムPCRで調べたい。そんなときの話です。 複数のハウスキーピング遺伝子のCt値(あるいはCp値)と遺伝子AのCt値との差(=ΔCt)を条件α・βごとに求めて…

論文のメモ: 28S rRNAのhidden breakについて

一部の生物種は、28S rRNAの真ん中あたりに切れ目が入っていることをこの記事に書きました。その切れ目はhidden breakと呼ばれ、28S rRNAが分裂するときに一部の塩基が消失することはgap deletionと呼ばれているみたいです。 今回は、hidden breakについて少…

論文のメモ: RT-PCRを始めるにあたって読みたい文献

リアルタイムPCRを用いた遺伝子発現解析の原理、実験手法やデータ解析法について。 いちばん分かりやすく丁寧なのは、タカラやサーモの日本語解説でしょう。特にサーモの「リアルタイムPCRハンドブック」は最高。それらを読んだ後に、将来論文に引用すること…

論文のメモ: RINは 全ての生物種のRNA分解指標にはできない

動物組織から抽出したRNAの分解度合は、電気泳動によって評価するのが普通です。ヒトなどの場合は、バイオアナライザーという装置で泳動して RIN (RNA Integrity Number; Schroeder et al., 2006) なる指標で分解度を評価します。RINの考え方は、RNAの中で大…

論文のメモ: 化学物質曝露と甲殻類の脱皮

この記事とほぼ同じ内容。 どうも、ZnやCdが脱皮を阻害する発端のメカニズムはCa摂取阻害で説明できそう。Caは殻の材料でもあるし、またCaは脱皮を制御するecdysteroidホルモンをコントロールしているので。 「総説:異物曝露が甲殻類の脱皮に与える影響」 Z…

論文のメモ: 金属曝露とヨコエビの繁殖阻害

前回にひき続き、甲殻類への金属毒性のメカニズム勉強中。 「ヨコエビの生殖学と内分泌制御についての総説」 Hyne R.V., 2011, Review of the reproductive biology of amphipods and their endocrine regulation: identification of mechanistic pathways f…

論文のメモ: 甲殻類の脱皮と金属曝露

「オオミジンコのecotoxicogenomicsによって金属毒性のメカニズムが推察できる」 Poynton H.C., Varshavsky J.R., Chang B., Cavigiolio G., Chan S., Holman P.S., Loguinov A.V., Bauer D.J., Komachi K., Theil E.C., Perkins E.J., Hughes O., and Vulpe…

論文のメモ: NGSでミトコンドリアDNAの全長解析

D2のWさん関係で、環境DNAに最近興味あり。 「古腹足類のミトコンドリアゲノム全長配列」 Williams S.T., Foster P.G., and Littlewood D.T.J., 2014, The complete mitochondrial genome of a turbinid vetigastropod from MiSeq Illumina sequencing of ge…

論文のメモ: 底質汚染に対するヨコエビの感受性

論文のIntroductionに「底質汚染に対するヨコエビの感受性は高いよ」と書こうとしたけど、意外と根拠になるデータがぱっと思いつかず…。正当化できそうな論文を探してみました。 今更ながら。古い論文多め。 「サンフランシスコ湾のDDT・ディルドリン汚染地…

論文のメモ: 複合影響とtoxicogenomics

「トキシコゲノミクスから観た複合影響」 Altenburger R., Scholz S., Schmitt-Jansen M., Busch W., and Escher B.I., 2012, Mixture toxicity revisited from a toxicogenomic perspective, Environ. Sci. Technol., 46 (5), 2508-2522. 総説。勉強会のた…

論文のメモ: 環境DNAを用いた遺伝的多様性の解析

「環境DNAから推察されるジンベエザメ集団の特性」 Sigsgaard E.E., Nielsen I.B., Bach S.S., Lorenzen E.D., Robinson D.P., Knudsen S.W., Pedersen M.W., Jaidah M.A., Orlando L., Willerslev E., Møller P.R., and Thomsen P.F., 2016, Population cha…

論文のメモ: de novo RNA-seqとマーカー遺伝子探索

国環研で使わせてもらった次世代シーケンサー。N先生のご好意により無償で使わせていただけました。N先生はすごい太っ腹というか、商売っ気がない?感じで、「お試しだから別に良いよ」と言ってましたが、やはりN先生にとってもプラスになる形で成果を出して…

論文のメモ: 廃水に曝露させたミジンコの発現変動遺伝子

「ゴム廃水曝露ミジンコにおける発現変動遺伝子の定量化」 Jo H.J. and Jung J., 2008, Quantification of differentially expressed genes in Daphnia magna exposed to rubber wastewater, Chemosphere, 73 (3), 261-266. 卒論生のT君の参考にできそう(う…