備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文

論文のメモ: 複合影響とtoxicogenomics

「トキシコゲノミクスから観た複合影響」 Altenburger R., Scholz S., Schmitt-Jansen M., Busch W., and Escher B.I., 2012, Mixture toxicity revisited from a toxicogenomic perspective, Environ. Sci. Technol., 46 (5), 2508-2522. 総説。勉強会のた…

論文のメモ: 環境DNAを用いた遺伝的多様性の解析

「環境DNAから推察されるジンベエザメ集団の特性」 Sigsgaard E.E., Nielsen I.B., Bach S.S., Lorenzen E.D., Robinson D.P., Knudsen S.W., Pedersen M.W., Jaidah M.A., Orlando L., Willerslev E., Møller P.R., and Thomsen P.F., 2016, Population cha…

論文のメモ: de novo RNA-seqとマーカー遺伝子探索

国環研で使わせてもらった次世代シーケンサー。N先生のご好意により無償で使わせていただけました。N先生はすごい太っ腹というか、商売っ気がない?感じで、「お試しだから別に良いよ」と言ってましたが、やはりN先生にとってもプラスになる形で成果を出して…

論文のメモ: 廃水に曝露させたミジンコの発現変動遺伝子

「ゴム廃水曝露ミジンコにおける発現変動遺伝子の定量化」 Jo H.J. and Jung J., 2008, Quantification of differentially expressed genes in Daphnia magna exposed to rubber wastewater, Chemosphere, 73 (3), 261-266. 卒論生のT君の参考にできそう(う…

RNA-seqにおけるrRNAの扱い

どういう働きの遺伝子がどれくらい発現しているか、見たいのはmRNA。しかしRNAの大部分はrRNAです。シーケンス前にoliog-dTビーズやらで取り除く操作をおこなっても、全てのrRNAが除去できるわけではありません。 なのでmRNAだけが解析対象なら、dry解析時に…

論文のメモ: de novo RNA-seqはどれくらいデータがあれば論文になるか

de novo RNA-seqデータの解析中。初めてのことだらけで、いろいろと手探りです。 まずはお試しでシーケンスしただけなので、そのデータで論文が書けるとは思ってませんが、じゃあ一体どれだけの(量・質の)データがあれば書けるのか、いまいち分野の常識が…

論文のメモ: 曝露生物の日齢と有害物質への感受性との関係

「Daphniaの日齢が金属毒性に及ぼす影響」 Hoang T.C. and Klaine S.J., 2007, Influence of organism age on metal toxicity to Daphnia magna, Environ. Toxicol. Chem., 26 (6), 1198-1204. 一般に若い曝露生物の方が、年老いた生物よりも感受性は高いで…

論文のメモ: 下水中の薬品・科学論文の書き方など

Editorialなど、最近読んだ短い文章をいくつか。 2016, Using waste water to flush out drug dealers, Nature, 537 (7620), 280. 違法ドラッグの使用を調べるために下水を使うというのが面白いです。自分の学科ではPPCPや大腸菌の挙動調査に下水が使われて…

論文のメモ: 甲殻類と細菌の関係

気晴らしで読んでみた論文。自分自身の研究との関連は特にないです。 「海産ヨコエビの新しい体表面共生細菌」 Gillan D.C. and Dubilier N., 2004, Novel epibiotic Thiothrix bacterium on a marine amphipod, Applied Environ. Microbiol., 70 (6), 3772-…

論文のメモ: 魚類からの環境DNAの排出速度

「環境DNAの排出速度」 Maruyama A., Nakamura K., Yamanaka H., Kondoh M., and Minamoto T., 2014, The release rate of environmental DNA from juvenile and adult fish, PloS one, 9 (12), e114639. 研究室で紹介された論文。自分は環境DNA(eDNA)につ…

論文のメモ: NGS解析を想定したRNAの固定・抽出方法

「非モデル生物におけるRNA単離ガイド」 Gayral P., Weinert L., Chiari Y., Tsagkogeorga G., Ballenghien M., and Galtier N., 2011, Next‐generation sequencing of transcriptomes: a guide to RNA isolation in nonmodel animals, Mol. Ecol. Resour., …

論文のメモ: 底質環境における金属の毒性 ~bioaccumulationとの関連~

底生生物への金属の毒性と、bioaccumulationとの関連。粒子態の金属の寄与、dietary exposure routesの寄与をどう考えるか、そのへんの問題に対するヒントを探る目的で読んでみました。 「水生無脊椎動物における金属の毒性・摂取・蓄積―甲殻類における亜鉛…

論文のメモ: 底質試験における細粒分の影響

底質試験はふつうの水系の毒性試験に比べて交絡因子が多くなりがちです。細粒分含有率もそのひとつ。 似たような話はこのへんにも。 「カイミジンコを用いた底質試験における細粒分の影響」 Casado-Martinez M.C., Burga-Pérez K.F., Bebon R., Férard J.F.,…

論文のメモ: 底質の何%が路面堆積物に由来するのか

路面上に堆積している塵埃は雨天時に水域に運ばれます。水に溶けにくい、あるいは分解されにくい物質は水域の底質として蓄積していきます。では、底質の何%が路面堆積物に由来するのか。その割合を調べた論文たち。 「総説:タイヤの摩耗粒子の発生と影響」…

論文のメモ: 在来種とそれ以外の種でのSSD

先日の環境毒性学会の話を先生としてたら、「SSD(Species sensitivity distribution)って日本にいない種で作っても良いの?」と言う話になりました。 感覚的には日本にいない種でSSDやHC5を推定しても、日本にいる種で推定した場合とあまり変わりがなさそ…

論文のメモ: 都市環境における農薬の分布

以前、道路での除草剤・殺虫剤散布について調べました。その時は有益な情報をあまり見つけられなかったので、新たに情報を追加してみました。 「都市における塵埃粒子中の殺虫剤の分布」 Richards J., Reif R., Luo Y., and Gan J., 2016, Distribution of p…

論文のメモ: ヨコエビの曝露試験による環境底質の汚染評価

急性致死影響が出ないレベルの汚染底質を主な対象として、ヨコエビの曝露試験を実施した論文たち。古典論文多め。 「非汚染底質におけるヨコエビと二枚貝の成長」 Nipper M.G. and Roper D.S., 1995, Growth of an amphipod and a bivalve in uncontaminated…

論文のメモ: NGSのコスト

NGSでのシーケンス費用について。 論文等で報告されているものを整理してみました。IlluminaのHiseqを使ってRNA-seqしたものを対象にしてます。 1US$は110円として計算しました。外注委託の見積もり価格はもっと高くなってるけどなぜ?例えばここでは4Gbで14…

論文のメモ: DaphniaからのDNA抽出法など

「DaphniaからのDNA抽出法」 Athanasio C.G., Chipman J.K., Viant M.R. and Mirbahai L., 2016, Optimisation of DNA extraction from the crustacean Daphnia, Peer J, 4, e2004. アラートで知った論文。Peer Jの論文ってどういうものなんだろうという興味…

論文のメモ: Adverse Outcome Pathways (AOP)

名前は聞いていたけど、その中身はちゃんと分かっていなかったAdverse Outcome Pathways (AOP) についてざっくり勉強しました。 「AOP: 生態毒性研究とリスク評価を支える概念的な枠組み」 Ankley G.T., Bennett R.S., Erickson R.J., Hoff D.J., Hornung M.…

論文のメモ: DEGの選択方法

発現が変動している遺伝子 DEG (Differentially expressed genes) を検出、選別する方法。マイクロアレイに関してはたくさんの手法が提案されていて、いくつか読んでみました。 「Rank Products法」 Breitling R. Armengaud P., Amtmann A. and Herzyk P., 2…

論文のメモ: Biotic Ligand Modelで考慮されていない水質の影響

環境試料に含まれている溶存態重金属がどれくらい毒性に寄与しているか推定中。今扱っている実験系では、各金属のフリー態濃度までは算出できるけど、Biotic Ligand Modelのように生物リガンドへの吸着量を推定するのは難しそう。どうしよう…。 というところ…

論文のメモ: 路面排水の生態影響

降雨時の路面排水が及ぼす生態影響を、バイオアッセイで調べた文献たち。 「降雨時間と高速道路排水の毒性との関係」 Kayhanian M., Stransky C., Bay S., Lau S.L., and Stenstrom M.K., 2008, Toxicity of urban highway runoff with respect to storm dur…

論文のメモ: ヨコエビの慢性試験用の人工淡水

「人工淡水におけるヨコエビの活動に及ぼす臭素の影響」 Ivey C.D. and Ingersoll C.G., 2016, Influence of bromide on the performance of the amphipod Hyalella azteca in reconstituted waters, Environ Toxicol Chem, accepted. ヨコエビの飼育・慢性…

最近読んだ論文のメモ: ニコチンの生態毒性 その5 ~微生物分解~

まだニコチン関連の論文読んでます。こうやって一つの物質に関して色んな角度から情報を収集するのって、意外と楽しいですね。 「カフェイン・コチニン・ニコチンの微生物分解」 Bradley P.M., Barber L.B., Kolpin D.W., McMahon P.B. and Chapelle F.H., 2…

最近読んだ論文のメモ: ネオニコチノイドによる遅発毒性について

前回の記事のネオニコチノイドの曝露時間と影響との関係を書いていて、昔、ネオニコのような神経系の毒は遅発性だと読んだのを思い出しました(この記事とか)。 ネオニコの遅発毒性 delayed toxicity に関する文献を、さらに探ってみました。 「イミダクロ…

最近読んだ論文のメモ: ニコチンの生態毒性 その4 ~ネオニコの作用機序との比較~

ニコチン毒性の作用機序は、農薬のネオニコ関連でたくさん研究されているようす。 Yamamoto I., Yabuta G., Tomizawa M., Saito T. Miyamoto T. and Kagabe T., 1995, Molecular mechanism for selective toxicity of nicotinoids and neonicotinoids, J. Pe…

最近読んだ論文のメモ: パルス曝露の影響

定常的な曝露ではなくて、短期間の曝露の影響についてどんな研究がなされているのかちょっとだけ調べてみました。農薬の研究が結構多いみたいです。 「短期間の殺虫剤曝露がヨコエビの生存と繁殖能に与える影響」 Cold A. and Forbes, V.E., 2004, Consequen…

最近読んだ論文のメモ: タバコの吸い殻やニコチンによる生態毒性 その3 ~ニコチンのfate~

これまで、タバコの吸い殻による生態毒性に関していくつか文献を読んできました。タバコ浸出液にTIEを適用してニコチンが主な毒性要因らしいとした論文や、タバコ吸い殻からのニコチン浸出量を測定した論文など。 最近読んだ論文のメモ: タバコの吸い殻やニ…

最近読んだ論文のメモ: 個体群増加率の信頼区間の求め方

例えば50匹の試験生物のフルライフサイクル試験をおこなったとき。試験データをもとに推移行列を作成して、個体群増加率を求めます。その時、データのばらつきはどう表現すべきなのでしょう? ばらつきがないと条件間の差は評価しづらい? ブートストラップ…