a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

HOC

最近読んだ論文のメモ: SOMでの汚染源推定・GLM・実験室で使用する溶媒のハザード点数

「SOMを用いた底質重金属汚染源の推定」 Pandey M., Pandey A.K., Mishra A. and Tripathi B.D., 2015, Application of chemometric analysis and self Organizing Map-Artificial Neural Network as source receptor modeling for metal speciation in rive…

最近読んだ論文のメモ: 沿岸域での炭素吸収・UとCdの複合影響・底質の沈降

「海洋生物地球化学:沿岸域の炭素」 Gruber N., 2015, Ocean biogeochemistry: Carbon at the coastal interface, Nature, 517, 148-149. ニュース記事。元になっているのはLaruelleら(2014)の論文。 沿岸域は大気中CO2の大きな吸収源になっているとの報告…

最近読んだ論文のメモ: Welchのt検定・個体差と環境変動・遺伝子発現と親の産地

「海洋での"閉鎖的な"ネットワーク」 Limardo A.J. and Worden A.Z., 2015,Microbiology: Exclusive networks in the sea, Nature, 522, 36-37. Natureのニュース記事。藻類と細菌の間での物質のやりとりに関する話。藻類の種は同じでも系統strainが変わると…

最近読んだ論文のメモ: UCMとPAHのbioavailability・集団内・間の遺伝子発現のばらつき

「UCMがPAHのbioavailabilityに与える影響」 Du J., Mehler W.T., Lydy M.J. and You, J., 2012, Toxicity of sediment-associated unresolved complex mixture and its impact on bioavailability of polycyclic aromatic hydrocarbons, J Hazard. Mater., …

最近読んだ論文のメモ: 東京湾底質の汚染・遺伝子発現の個体差

「東京湾底質のLAS・LAB汚染」 Hideshige T., Ishiwatari R. and Norio O., 1992, Distribution of linear alkylenzenes (LABs) and linear alkylbenzene sulphonates (LAS), Estuar. Coast. Shelf Sci., 35, 141-156. 前回に続き、東京湾底質の微量物質汚染…

最近読んだ論文のメモ: 東京湾底質の汚染・二枚貝のマーカー遺伝子

「東京湾底質の微量物質汚染のターゲット・スクリーニング分析」 Pan S., Kadokami K., Li X., Duong H.T. and Horiguchi T., 2014, Target and screening analysis of 940 micro-pollutants in sediments in Tokyo Bay, Japan, Chemosphere, 99, 109-116. …

最近読んだ論文のメモ: 雨水と底質とWET・HOCの分配とDO

「雨水と底質の汚染評価における従来・新規の毒性試験手法の役割」 Burton G.A., Pitt R. and Clark S., 2000, The role of traditional and novel toxicity test methods in assessing stormwater and sediment contamination, Crit. Reviews Environ. Sci.…

論文「ハロゲンが溶存有機物の分解に与える影響:ヒドロキシラジカルとの関係から」

塩分と有機物の環境中挙動との関係に興味があるので、イントロ部分と結果の一部だけですが読んでみました(参考→こちら)。 Grebel J.E., Pignatello J.J., Song W., Cooper W.J. and Mitch W.A., 2009, Impact of halides on the photobleaching of dissolv…

論文「無機鉱物表面へのPAHsの吸着」

ほとんど読んでませんが、データのメモ。 Muller S., Totsche K.U. and Kogel Knabner I., 2007, Sorption of polycyclic aromatic hydrocarbons to mineral surfaces, European J. Soil Sci., 58(4), 918-931. 多環芳香族炭化水素(PAHs)のような疎水性物…

論文「ガラス表面へのPAHsの吸着」

世の中、ほんと色んな研究がされているなと思いました。 疎水性物質の毒性試験をおこなう時、添加したはずの物質が消え失せていることがあります(参考:こちらの論文)。その消失の原因の一つに「対象物質が試験容器の壁面に吸着してしまっている」ことがあ…

論文「なぜ汽水域で汚染がトラップされるのか?:塩分とDOMが吸脱着平衡に与える影響からの考察」

都市域から排出された疎水性の汚染物質(hydrophobic pollutants)は、そのまま海に流れ出さずに、汽水域の底質に蓄積していきます。Murphyら(1988;下の論文からの孫引き)によると、90%以上の懸濁態炭化水素が汽水域にとどまる場合があるそうです。 では、…

論文「有機物質のbioavailabilityに関する総説:accessibilityとchemical activityの区別」

以前の記事で少し触れた、底質や土壌における有機物質のbioavailability(生物学的利用能)に関する総説。簡単にまとめるつもりが、長くなってしまいました。 Reichenberg F. and Mayer P., 2006, Two complementary sides of bioavailability: Accessibilit…

論文「生存・死亡微細藻類による高分子PAHの除去及び物質変換」

おなじみのPAH(Polycyclic Aromatic Hydrocarbon; 多環芳香族炭化水素)に関する論文です。以前、藻類によるPAHの代謝と蓄積に関する論文を紹介しました。藻類のような下等(?)生物によってもPAHのいくらかは代謝・分解されるという話でしたが、今回は藻…

論文「塩分・粒子径が底質へのPAH吸着に与える影響」

PAH(多環芳香族炭化水素)などの疎水性物質は、底質に蓄積しています。底質中へのPAHの隔離(sequestration)は、時間経過に伴って進行すること(aging effect)は以前紹介しました(→「時間経過によって土壌中PAHの分布はどう変化するか」)。 aging effec…

論文「キャリア溶媒の急性・慢性影響に関する総説」

疎水性物質の毒性試験では、通常アセトンやDMSOなどのキャリア溶媒を用いて試験溶液を作成します。そのキャリア溶媒の使用に関する論文(2013年, Aqua. Toxicol.)は、このブログでもまとめを書きました(→「キャリアーとしての有機溶媒の使用:実務・統計・…

論文「水環境中のPAHの挙動に藻類が果たす役割」

人為起源のPAH(多環芳香族炭化水素)は、降雨や路面排水によって河川や海などに運ばれます。そしてその疎水性のために、懸濁物質や生物表面に吸着し、底質へと蓄積します。 そのような経路だけでなく、PAHは水中の藻類による取り込み・代謝も受けます。下の…

論文「時間経過によって土壌中PAHの分布はどう変化するか」

PAH(多環芳香族炭化水素)は、疎水的な性質のために土壌や底質に多く蓄積してます。土壌や底質中のPAHは、粒子表面に吸着していたり、あるいは粒子の微細孔に隔離されたりしています。そのため、容易に抽出されにくかったり、生物に利用されにくかったりし…

論文「キャリアーとしての有機溶媒の使用:実務・統計・レギュラトリー面での考察」

水生生物の毒性試験で疎水性物質を扱う際は、通常キャリアとして有機溶媒を用いることを先日書きました(8/21記「疎水性物質の毒性試験について」)。 そのキャリア溶媒(carrier solvents)に関する総説。以下は、この総説を読んでのまとめ。 Green J. and …

環境中のPAHs・論文「シドニーの路面堆積物・土壌・底質中のPAHs」

PAHs(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons;多環芳香族炭化水素)はN,O,Sなどのヘテロ原子や置換基を含まない、複数の芳香環からなる炭化水素の総称です。例えば代表的なPAHsにbenzo[a]pyreneがあります。 図:benzo[a]pyrene 多くのPAHsは変異原性や発がん性…

疎水性物質の毒性試験について

水に溶けにくい物質、すなわち疎水性物質(Hydrophobic Organic Chemicals;HOC)の毒性試験はやっかいです。「試験溶液をどうやって作成するか」が難しいためです。 例えば10 µg/L(= 10 ppb)の溶液1 Lを作成したい場合。 はかりでHOCを1 mgまで測定できる…

論文「HOCの拡散速度とDOC」・音楽「恋におちたら」

Mayer P. et al., 2007, Enhanced diffusion of polycyclic aromatic hydrocarbons in artificial and natural aqueous solutions, Environ. Sci. Technol., 47, 6148-6155. 昨日に引き続き、HOC(Hydrophobic organic chemicals;疎水性有機物質)に関する論…

論文「HOCの生物移行とDOC」

ter Laak T.L. et al., 2009, Dissolved organic matter enhances transport of PAHs to aquatic organisms, Environ. Sci. Technol., 43, 7212-7217. 「水生生物への重金属の毒性にどのような因子が影響するか」は良く研究されています。フリー態が最もavai…

【論文】生態毒性: 底生系食物網における有機物質の蓄積

An equilibrium model of organic chemical accumulation in aquatic food webs with sediment interaction Thomann R.V., Connolly J.P. and Parkerton T.F. 1992, Environ. Toxicol. Chem., Vol.11, p.615-629. 疎水性物質の多くは、底質に蓄積しています…