a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: 複合影響とtoxicogenomics

「トキシコゲノミクスから観た複合影響」 Altenburger R., Scholz S., Schmitt-Jansen M., Busch W., and Escher B.I., 2012, Mixture toxicity revisited from a toxicogenomic perspective, Environ. Sci. Technol., 46 (5), 2508-2522. 総説。勉強会のた…

論文のメモ: 環境DNAを用いた遺伝的多様性の解析

「環境DNAから推察されるジンベエザメ集団の特性」 Sigsgaard E.E., Nielsen I.B., Bach S.S., Lorenzen E.D., Robinson D.P., Knudsen S.W., Pedersen M.W., Jaidah M.A., Orlando L., Willerslev E., Møller P.R., and Thomsen P.F., 2016, Population cha…

「人工知能は人間を超えるか」感想

帰省中の新幹線で読みました。 感想はずばり「ディープラーニングすごい」。 従来の機械学習ではどのような特徴量(=説明変数)を用いるかを人間が最終的に設計しなければならなかったのに対し、ディープラーニングは自ら重要な特徴量を設計できるそうです。…

去年の振り返りと2017年にやりたいこと

去年の始めに2016年の目標を書きました(去年の振り返りと 2016年にやりたいこと)。それが実際、どれだけ達成されたのかチェックしてみました。 目標1:博士課程修了 結果1:◎。7月末に論文審査。9月に無事終了。 目標2:論文2本。自分の本筋の研究と、T君…

論文のメモ: de novo RNA-seqとマーカー遺伝子探索

国環研で使わせてもらった次世代シーケンサー。N先生のご好意により無償で使わせていただけました。N先生はすごい太っ腹というか、商売っ気がない?感じで、「お試しだから別に良いよ」と言ってましたが、やはりN先生にとってもプラスになる形で成果を出して…

DDBJ pipelineの高次解析

前回の続き。blastxに時間かかり過ぎのため、現在linux PCを他の用途に使えません。 「次世代シークエンス解析スタンダード」(羊土社)という本を読んでたら、遺伝研のスパコンを使って解析できる、という話が。「うちのlinuxと遺伝研のスパコンとの2台使い…

blast+の計算時間

12/6(火)からlinuxのコマンドライン上でlocal blastxをおこなってますが、まだ終わらない…。こんな感じのコマンドを入力してから、もうじき7日経ちます。 blastx -query Trinity.fasta -db nr -max_target_seqs 2 -outfmt 5 -evalue 1e-05 -num_threads 6 -o…

論文のメモ: 廃水に曝露させたミジンコの発現変動遺伝子

「ゴム廃水曝露ミジンコにおける発現変動遺伝子の定量化」 Jo H.J. and Jung J., 2008, Quantification of differentially expressed genes in Daphnia magna exposed to rubber wastewater, Chemosphere, 73 (3), 261-266. 卒論生のT君の参考にできそう(う…

RNA-seqにおけるrRNAの扱い

どういう働きの遺伝子がどれくらい発現しているか、見たいのはmRNA。しかしRNAの大部分はrRNAです。シーケンス前にoliog-dTビーズやらで取り除く操作をおこなっても、全てのrRNAが除去できるわけではありません。 なのでmRNAだけが解析対象なら、dry解析時に…

論文のメモ: de novo RNA-seqはどれくらいデータがあれば論文になるか

de novo RNA-seqデータの解析中。初めてのことだらけで、いろいろと手探りです。 まずはお試しでシーケンスしただけなので、そのデータで論文が書けるとは思ってませんが、じゃあ一体どれだけの(量・質の)データがあれば書けるのか、いまいち分野の常識が…

論文のメモ: 曝露生物の日齢と有害物質への感受性との関係

「Daphniaの日齢が金属毒性に及ぼす影響」 Hoang T.C. and Klaine S.J., 2007, Influence of organism age on metal toxicity to Daphnia magna, Environ. Toxicol. Chem., 26 (6), 1198-1204. 一般に若い曝露生物の方が、年老いた生物よりも感受性は高いで…

Ubuntuのアップグレード失敗からの復旧

次世代シーケンサーのデータ解析に、大学で放置されていたLinuxを使い始めました。Linuxはほぼ触ったことがなかったので、解析の入り口に立つまでにかなり苦労しました。 Ubuntuのバージョンは12.04 LTS。 「Ubuntuのアップグレードをしませんか」みたいなメ…

SETAC NA @Orlando

SETAC Nort AmericaのAnnual Meetingに参加してきました。大統領選中に開催されるというタイミング。思っていたより、混乱している感じは受けませんでした。自分の観測範囲が狭かったからでしょうか。トランプが大統領になると、環境系の研究費が削られると…

論文のメモ: 下水中の薬品・科学論文の書き方など

Editorialなど、最近読んだ短い文章をいくつか。 2016, Using waste water to flush out drug dealers, Nature, 537 (7620), 280. 違法ドラッグの使用を調べるために下水を使うというのが面白いです。自分の学科ではPPCPや大腸菌の挙動調査に下水が使われて…

論文のメモ: 甲殻類と細菌の関係

気晴らしで読んでみた論文。自分自身の研究との関連は特にないです。 「海産ヨコエビの新しい体表面共生細菌」 Gillan D.C. and Dubilier N., 2004, Novel epibiotic Thiothrix bacterium on a marine amphipod, Applied Environ. Microbiol., 70 (6), 3772-…

論文のメモ: 魚類からの環境DNAの排出速度

「環境DNAの排出速度」 Maruyama A., Nakamura K., Yamanaka H., Kondoh M., and Minamoto T., 2014, The release rate of environmental DNA from juvenile and adult fish, PloS one, 9 (12), e114639. 研究室で紹介された論文。自分は環境DNA(eDNA)につ…

映画「シン・ゴジラ」「君の名は。」「ユージュアル・サスペクツ」「ヘアスプレー」

今年の夏は、自分にしては結構映画を観ました。 ◆シン・ゴジラ 中盤ぐらいまでのスピード感。はったりのかまし方が上手いです。なんとなくハンターハンターの冨樫を思い出しました。細かい設定について、色々語りたくさせます。最高のエンターテイメントでし…

科研費書いてる

今月から学振PDに肩書が変わり、科研費の申請資格をゲットしました。 あと残りの1年半は学振PDのお金が使えますが、その後のこと考えると科研費を取っておいて損はないので、申請することに。 昔は、PDには科研費の申請資格はなかったみたいですが、平成26年…

論文のメモ: NGS解析を想定したRNAの固定・抽出方法

「非モデル生物におけるRNA単離ガイド」 Gayral P., Weinert L., Chiari Y., Tsagkogeorga G., Ballenghien M., and Galtier N., 2011, Next‐generation sequencing of transcriptomes: a guide to RNA isolation in nonmodel animals, Mol. Ecol. Resour., …

論文のメモ: 底質環境における金属の毒性 ~bioaccumulationとの関連~

底生生物への金属の毒性と、bioaccumulationとの関連。粒子態の金属の寄与、dietary exposure routesの寄与をどう考えるか、そのへんの問題に対するヒントを探る目的で読んでみました。 「水生無脊椎動物における金属の毒性・摂取・蓄積―甲殻類における亜鉛…

論文のメモ: 底質試験における細粒分の影響

底質試験はふつうの水系の毒性試験に比べて交絡因子が多くなりがちです。細粒分含有率もそのひとつ。 似たような話はこのへんにも。 「カイミジンコを用いた底質試験における細粒分の影響」 Casado-Martinez M.C., Burga-Pérez K.F., Bebon R., Férard J.F.,…

論文のメモ: 底質の何%が路面堆積物に由来するのか

路面上に堆積している塵埃は雨天時に水域に運ばれます。水に溶けにくい、あるいは分解されにくい物質は水域の底質として蓄積していきます。では、底質の何%が路面堆積物に由来するのか。その割合を調べた論文たち。 「総説:タイヤの摩耗粒子の発生と影響」…

論文のメモ: 在来種とそれ以外の種でのSSD

先日の環境毒性学会の話を先生としてたら、「SSD(Species sensitivity distribution)って日本にいない種で作っても良いの?」と言う話になりました。 感覚的には日本にいない種でSSDやHC5を推定しても、日本にいる種で推定した場合とあまり変わりがなさそ…

環境毒性学会 @ 愛媛大

今年も参加しました。あれぐらいの規模の学会が一番楽しいかも。教室1つに参加者全員が収まるくらいの規模。口頭・ポスター併せて発表数50くらい? 自身のポスター発表ではフルボッコにされたけど、間違いを発見できて良かった。 ネオニコの発表多め。 企画…

博士論文の審査会

7月末に終わりました。 夕方5時から、45分の口頭発表と45分の質疑応答。それから主査と副査で非公開の審議によって、合否の判定。審議はおよそ15分ほど。 審議の後、「合格です」とかそういった類の言葉を聞けるかと思って主査の先生のもとへ行ったら、博士…

論文のメモ: 都市環境における農薬の分布

以前、道路での除草剤・殺虫剤散布について調べました。その時は有益な情報をあまり見つけられなかったので、新たに情報を追加してみました。 「都市における塵埃粒子中の殺虫剤の分布」 Richards J., Reif R., Luo Y., and Gan J., 2016, Distribution of p…

勉強量は人工知能に追いつけない

いやはや、すごい。2,000万本のがん研究論文を人工知能に学習させて、実際の診断に役立てられたという話。 25歳から60歳まで毎日1本の論文を読んでも、せいぜい1万2,000本ほどしか読めません。今までに自分が読んだ論文なんて、1,000本のオーダーでしょう。…

論文のメモ: ヨコエビの曝露試験による環境底質の汚染評価

急性致死影響が出ないレベルの汚染底質を主な対象として、ヨコエビの曝露試験を実施した論文たち。古典論文多め。 「非汚染底質におけるヨコエビと二枚貝の成長」 Nipper M.G. and Roper D.S., 1995, Growth of an amphipod and a bivalve in uncontaminated…

論文のメモ: NGSのコスト

NGSでのシーケンス費用について。 論文等で報告されているものを整理してみました。IlluminaのHiseqを使ってRNA-seqしたものを対象にしてます。 1US$は110円として計算しました。外注委託の見積もり価格はもっと高くなってるけどなぜ?例えばここでは4Gbで14…

Rejectされたー

W誌に出していた論文。Rejectでした。 コメントから察するに、1人の査読者はおそらくreject判断で、もう1人はmajor revision。rejectにした査読者は、そもそも論文の要件を満たせてないと思ってる様子。今回の論文は「~が原因とは言えない」というのが結論…