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a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

【論文】生態毒性: DOMはCdのMobilityには影響するが藻類による取り込みには影響しない

Natural dissolved organic matter mobilizes Cd but does not affect Cd uptake by the green algae Pseudokirchneriella subcapitata (Korschikov) in resin buffered solutions

Verheyen L., Versieren L. and Smolders E.

2014, Aquatic Toxicol., Vol.154, p.80-86.


 

 アブストとイントロぐらいしか読んでいないけど、イントロが面白かったのでメモ。

 

 以下はイントロ一部を適当に和訳。

 重金属の毒性はFIAM (Free Ion Activity Model) で多くは説明できる。つまり、毒性に寄与するのはフリー態のみであり、全濃度 (=フリー態以外の毒性に寄与しない画分を含む) ではなくフリー態濃度だけ考慮すればよい、という考え。

 しかし重金属の生物への取り込みは、FIAMで説明できない場合もある。それは①錯体を形成していても生物に取り込まれる場合や、②不安定な錯体 (=labile complex) によって (粘度が増し) 拡散律速が生じる場合と考えられる。後者は、生物の取り込みサイトへの重金属の移動が、生物による重金属取り込みより遅い場合に生じる。(この辺りはDegryse et al., 2006, EST の陸生植物の例をもとに議論しているよう。)

 

  DOMが共存することで藻類への重金属の取り込みが増加する例はいくつか知られている。

 その増加の理由として、DOMによって藻類表面の膜透過性 (membrane permeability) が変化したこと、 DOMによって藻類表面の負電荷が増したこと (つまりDOMが新たな吸着サイトになったこと) などが考えられる。