研究室で紹介された論文。殺菌剤のtebuconazoleを底質にスパイクして、カイアシ(copepod)を曝露させた実験です。
Turesson E.U., Stiernstorm S., Minten J., Adolfsson-Erici M., Bengtsson B.E. and Breitholtz M., 2007, Development and reproduction of the freshwater harpacticoid copepod Attheyella crassa for assessing sediment-associated toxicity, Aquat. Toxicol., 83, 180-189.
論文の主眼部分ではないけれど、数点メモ。
- 汚染底質を作成する時のキャリアー溶媒について。OECD TG218(ユスリカの底質毒性試験)の手法で汚染底質を作成してます。アセトンにtebuconazoleを溶かし、シリカに添加。暗所に24時間静置して、アセトンのみ揮発させてます。へぇ~と思ったのは、アセトンがちゃんと揮発したかどうかを、わざわざGC-MSで検証していることです*1。自分の中では、アセトンって割とすぐ揮発してなくなるイメージでしたが、口が狭い瓶にスパイクした時、アセトンの気体がずっと瓶内に残っていたことをつい最近経験しました*2。
- 添加したはずのtebuconazoleの65%が消失していたそうです。上層水+底質からの回収量が、添加量nominalの35%だったとか。生物に代謝・蓄積されたのでしょうか。