a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

最近読んだ論文のメモ: トランスクリプトームによる汚染源の推定

 「転写産物のプロファイリングによる水試料の汚染源と汚染影響の同定評価」

Hasenbein M., Werner I., Deanovic L.A., Geist J., Fritsch E.B., Javidmehr A., Foe C., Fangue N.A. and Connon R.E., 2014, Transcriptomic profiling permits the identification of pollutant sources and effects in ambient water samples, Sci. Total Environ., 468-469, 688-698. 

論文の主旨:トランスクリプト―ムを用いて混合物質中の毒性物質を特定するmTIE的な研究は難しいかもしれない。けれど環境試料間の比較をおこなって、汚染源の推定ぐらいには利用できるかも。サンプルに曝露した時のマーカーの挙動が近ければ、サンプルに含まれるストレス要因も類似してるだろう。そんな方向性。

 

具体的には、①汚染サイトの水試料と②下水処理水(汚染サイトの上流に位置する)、③処理場の上流の水試料、④上流の水にアンモニアを加えたものを試験しています。試験生物はワカサギ属のdelta smelt。

面白いのが、遺伝子発現の傾向が①と②、④で似通っているという結論。結局omicsの環境科学での使い道ってこういう方向性になるのかな。化学分析では分からない生体影響の特性化・分類をおこなう、というもの。しかしマーカーを用いたサンプルの識別って、用いるマーカー依存な気がします。