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a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

最近読んだ論文のメモ: 内因性ノイズと外因性ノイズ・Niの毒性機構・AFLPにおけるヘテロ接合度の算出

論文 生態系 生態毒性 分子生物学 AFLP ノンポイント汚染

「単一細胞における確率論的な遺伝子発現」

Elowitz M.B., Levine A.J., Siggia E.D. and Swain P.S., 2002, Stochastic gene expression in a single cell, Science, 297(5584), 1183-1186. 

難しくてあまり理解できなかった…。内因性ノイズとかでググると、この論文の解説記事なんか出てくるので、それをもとに咀嚼していきました。

遺伝子発現のばらつきは、遺伝子発現そのものの性質に起因するのか(内因性ノイズ, intrinsic noise)、細胞内の他の物質に起因するのか(外因性ノイズ, extrinsic noise)、という問題。

両者を分離するためにとった手法が面白いです。同一遺伝子のコピーを二つ持つ大腸菌を用意する。それぞれのコピーの発現は、蛍光タンパク質で調べる。内因性ノイズは各コピーの発現量(蛍光量)の差分の二乗平方根、外因性ノイズは両コピーの共分散で求める。

 

「雨水のDaphniaへの毒性影響」

Ekmekyapar F., Bahadır E.B. amd Meric S., 2015, Ecotoxicological and inorganic chemicals' characterization of rainwater in an urban residential area, Desal. Water Treat., (ahead-of-print), 1-8.

ざっと読んでみた。酷い論文だった。データ解析の方法が、生態毒性専門の人ではないんだろうな、という感じ。とにかく測定値間の相関係数を出すばかり。

 

「水系曝露Niの急性・慢性毒性メカニズム」

Pane E.F., Smith C., McGeer J.C. and Wood C.M., 2003, Mechanisms of acute and chronic waterborne nickel toxicity in the freshwater cladoceran, Daphnia magna, Environ. Sci. Technol., 37(19), 4382-4389.

勉強会で紹介された論文。NiはMgと競合する。Ni毒性はMg欠乏が原因かもという話。慢性曝露だと餌の藻類摂食によってMgを補っているため、Mgは欠乏しない。別の機構で毒性発現する。

 

「DNA多型検出手法の比較」

Powell W., Morgante M., Andre C., Hanafey M., Vogel J., Tingey S. and Rafalski A., 1996, The comparison of RFLP, RAPD, AFLP and SSR (microsatellite) markers for germplasm analysis, Mol. Breeding, 2(3), 225-238. 

AFLPでのヘテロ接合度(heterozygosity)の求め方が知りたくて読んでみました。下の論文とあわせて勉強になりました。

各遺伝子座は優性/劣性の2対立遺伝子alleleを持ち、ピークが出れば優性、出なければ劣性と仮定しているようです。

渡辺, 草野, 大村, 2007, 宮城県中南部のウルマーシマトビケラ地域集団の遺伝的多様性と分化, 環境工学研究論文集, 44, 83-92. 

 

(追記)

「AFLPの統計解析のレビュー」・「ヘテロ接合度算出の例」の論文を追加。