先日学部2年生の講義で、Mさんが講演に来てたので聞きに行きました。「リスク学」というタイトルで2時間ほどの講演でした。
広い視野の話から具体的な話まであって面白かったのですが、学部生は8割ぐらい寝てましたね。自分が学部生だった時を思うと仕方ない気もしますが…。あとホストのK先生不在でTAが司会だったから、講演の始めの雰囲気が硬かったのも関係あるかも。後半はMさんもノってきて熱を持っていただけに、残念。
講演の前半でのキーワードを羅列してみると、リスクトレードオフ・基準値・安全と安心・人間の意思決定・プロスペクト理論・レギュラトリーサイエンス・LNT仮説・パターナリズム・生涯発がんリスク10^-5、といった感じでした。既に著書を読んで知っている内容もありましたが、面白かったです。
講演の後半は、原発事故のリスクということで2014年と2015年にPLOS One に掲載された論文の話を中心にされていました。こちらは個人的に新しい話もありました。すごいざっくり書くと、放射線被ばく以外のリスクも考慮しないといけない、という内容。
最後は「リスクをどう管理すべきかということは、結局どのような環境や暮らしを求めるのかという価値観の問題である」といったまとめ。非常に熱かったです。こういう困難だけど本質的な問いに応えようとしている様が、なんというかかっこいいですね。
生態系への影響というものも、このような枠組みの中で考えないといけないなと思わされました。
しかし講演の中で一番びっくりしたのは、学部生が東日本大震災の時に中学生だったということでした。