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a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

最近読んだ論文のメモ: 個体群増加率の信頼区間の求め方

論文 個体群

例えば50匹の試験生物のフルライフサイクル試験をおこなったとき。試験データをもとに推移行列を作成して、個体群増加率を求めます。その時、データのばらつきはどう表現すべきなのでしょう? ばらつきがないと条件間の差は評価しづらい? ブートストラップなどのリサンプリング手法を使う? でも何を使うべき?

そのあたりの疑問に対して、下の論文を読んでみました。

 

「個体群増加率の信頼限界

Alvarez-Buylla E.R. and Slatkin M., 1991, Finding confidence limits on population growth rates, Trends Ecol Evol., 6(7), 221-224. 

下のCaswellの教科書の第1版(1986)も引用されている総説。

 大きく3つの手法が紹介されてます。 「Aij = aij + eij」として(aが真の値でeが誤差項)、テーラー展開近似をおこなう手法。生活史変量の分布が既知のときに、モンテカルロシミュレーションをおこなってλの分布を計算する手法。そして、ジャックナイフ法かブートストラップ法でリサンプリングする手法。

サンプル数が少ない時は、近似をおこなうとλのばらつきを過小評価してしまうことが多いので、MCシミュレーションかリサンプリングをすべし、とのことです。(というか自分はコンピュータ頼りの手法に毒されちゃっている?のか、解析的な方法を思いつきもしませんでした。)

 

Caswell H., 1986, Matrix population models, 1st Ed., John Wiley & Sons, Ltd. ISO 690.   

第7章がまさにドンピシャの内容でした。この教科書、昔に結構読んだつもりになってましたが、全然読めてなかったです。(自分が図書館で借りたのは第1版ですが、目次を見る限り2001に出た第2版は何倍も記述が厚くなってそう。別の図書館で第2版 l.]をちょっと見てみた方が良いかも。)

上の総説と重複する部分が多いですが、具体例が豊富。