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a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: 都市環境における農薬の分布

ノンポイント汚染 論文 農薬

以前、道路での除草剤・殺虫剤散布について調べました。その時は有益な情報をあまり見つけられなかったので、新たに情報を追加してみました。

 

「都市における塵埃粒子中の殺虫剤の分布

Richards J., Reif R., Luo Y., and Gan J., 2016, Distribution of pesticides in dust particles in urban environments, Environ. Pollut., 214, 290-298.

ピレスロイド系殺虫剤8種とフィプロニルおよびその分解産物を対象にして、塵埃中の濃度を調べた研究。カリフォルニアの20コの家庭で3箇所ずつ(私道部分? driveway・側溝curbside gutter・面している道路の中央)から塵埃を採取。

全441サンプル中、98.2%のサンプルで少なくとも1種の殺虫剤が検出されたそうな。乾季の8~10月に塵埃中濃度は高く、雨季後の2月に低かった。家周りでの地点(driveway, gutter, street)による明確な濃度の差はなかった。検出された濃度レベルが高いのか低いのか、水域に流出されたらどれくらいの影響を引き起こしそうか、などの議論はなし。

家に庭があるアメリカの結果だから、日本では大分違う話になるんでしょうか。

 

 

日本での農薬の使用について、経産省がまとめてました。PRTR制度の届出外排出量調査。

平成26度 届出外排出量の推計方法等に係わる資料(METI/経済産業省)

例えば上の論文で検討されていたフィプロニルは田畑での使用がメインで、家庭や「その他の非農耕地」では使われてないみたいです。ピレスロイド系殺虫剤のペルメトリン家庭や「その他の非農耕地」でも使われてるみたいですが、その使用量は少なめ。「その他の非農耕地」での推定排出量が多いのは、除草剤のジクロベニル(ニトリル系)・ブロマシル(有機臭素系)・メコプロップ(フェノキシ酸系)・ジウロン(尿素系)、殺虫剤のフェニトロチオン有機リン系)、そして臭化メチルなど。

 

 

Jiang W., Luo Y., Conkle J.L., Li J. and Gan J., 2015, Pesticides on residential outdoor surfaces: environmental impacts and aquatic toxicity, Pest Manag. Sci., 72 (7), 1411-1420. 

上の論文で引用されていた、同じ研究グループによる論文。こっちの論文ではヨコエビを用いた毒性試験もおこない、毒性影響の有無を議論してます。