a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: ヨコエビの巣穴潜り

ヨコエビは負の光走性だが、産まれたばかりの個体は正の光走性だと前回の論文にありました。自分の飼っているヨコエビは歳をとるほど穴に潜らなくなるので、てっきり逆かと思ってました。この現象に光走性は無関係で、別の要因が関係しているのかも。

 

   

「底質毒性試験条件下でのHyalella aztecaの穴掘り行動

Doig LE, Liber K, 2010, An assessment of Hyalella azteca burrowing activity under laboratory sediment toxicity testing conditions, Chemosphere 81:261-265.

底質の種類、明暗条件、個体の成長段階、餌条件を変えて穴掘りへの影響を調べています。砂が多い底質より泥っぽい方がよく潜り、餌をあげた方がよく潜るという結果。あと小さい個体の方が穴に潜りがち。これらは自分の観察結果と一致してます。

明暗での差は明確ではなかったそうです。一度潜ったら外の環境が明るかろうが暗かろうが関係ないのかな。なぜ加齢とともに潜らなくなるのかは結局不明。

 

「淡水ヨコエビH aztecaを用いた底質の影響試験:labと実際のギャップ

Wang F, Goulet RR, Chapman PM, 2004, Testing sediment biological effects with the freshwater amphipod Hyalella azteca: the gap between laboratory and nature, Chemosphere 57:1713-1724.

Hyalella aztecaは本当は泥を食べてないから底質に毒性があることを示す試験生物種には適切ではないよ、というミニレビュー。H. aztecaが泥に潜るということに関してlab間で観察結果が異なっていて、もしかしたらcryptic speciesの問題かもしれないとの議論も。

 

「非致死エンドポイントとしての潜掘能の解析

Siebeneicher S, Wahrendorf DS, Wetzel MA, Jungmann D, 2013, Analysis of burrowing ability as a sublethal endpoint in a marine sediment bioassay with Corophium volutator (Pallas). J Soils Sediments 13:197-206.

成体のオスの穴掘りが最も遅いというシンプルな論文。それでも平均約10分で穴を掘り終わっている様子。メスと亜成体は1~3分以内で穴を掘り終えてます。オスは穴に入っているメスを探し出して穴の中で交尾するため、自分では穴を掘らないらしいです。この種のこのあたりの繁殖に関する行動はFish&Mills (1979) に詳しいみたい。