備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: RNAの分解度評価 ~Transcript Integrity Number~

RNA-Seqデータの特性評価のためのシンプルなガイドライン

Son K., Yu S., Shin W., Han K., Kang K., 2018, A Simple Guideline to Assess the Characteristics of RNA-Seq Data, BioMed Research International, Article ID 2906292.

RNA-Seqのデータは、リードカウントとTIN(Transcript Integrity Number)のPCAプロットを描いて簡単に評価したほうが良いよ、という提言。処理群を代表しないサンプルを含めてDEG解析すると結果が変わってしまうから、PCAプロットでそのようなサンプルを可視化しようということですが、そのサンプルを除外すべきかどうかは明言なし。そもそもサンプル除外の効果があるのはreplicatesが2~3と少ない場合ですが、その少ないreplicatesからどういう基準でサンプルを除外するのか。

そんな感じで中々のHindawiクオリティですが、この論文のおかげでTINを知ったのでここにメモ。あと、reference genes単独での分解度を見ても不十分で、TINのように複数の遺伝子をまたいで評価するのが大事ということもigvの図から分かります。

 

RNA-Seqデータを用いて転写物の非分解度を測る

Wang, L., Nie, J., Sicotte, H., Li, Y., Eckel-Passow, J. E., Dasari, S., Vedell P.T., Barman P., Wang L., Weinshiboum R., Jen J., Huang H., Kohli M., Kocher J.P.A., 2016, Measure transcript integrity using RNA-seq data, BMC Bioinformatics, 17(1), 58.

TINを提案した論文。TINは、転写産物にどれだけ均一にリードがマッピングされたかを表す指標のようす。Total RNA電気泳動して得られるRIN(RNA Integrity Number)との比較もあり。

TINの計算はpythonRSeQCパッケージでできます。