どうして買ったのか忘れたけど、家にあったので読みました。
ブロックチェーンやインターネットなど技術の発展により、各個人や企業が独自の経済圏を作り出すことができるようになり、国家のような中央集権的な構造から自由になった。この「経済の民主化」は、活版印刷技術の発展とインターネットの誕生による「知識の民主化」に類する変化である。従来の資本(お金)に縛られずに社会、ネットワークとつながることができるため、お金の価値は相対的に低くなる。そのため、これまで資本主義では評価されづらかった人間の内面的な価値や社会的な価値を評価する「価値主義」が台頭してくるだろう。
大体このような趣旨です。263ページありますが、文章は平易で、同じような内容が繰り返し述べられているので、2時間強もあればざっと通読できます。
大筋としては、趣旨に賛同します。資本主義から自由になり、価値主義的な生き方を選択できるならば、それは純粋に良いと思います。
しかし、大学生のころに読んだ「ウェブ進化論」をどこか思い出しました。あの本は、インターネットの進化すごい、それこそ知識の民主化すごい、みたいな論調だったと思いますが(うろ覚え)、今のウェブ環境は意外と統制されているし、Google検索は汚染されているし、10年前にあの本が出た時の期待通りではありません。
この「お金2.0」の説く経済の民主化にしても、どこまで上手くいくのか。いくつかの例外はあれど、結局持てる者がより豊かになっていく気もする。今も情報、知識を持っている者がより情報、知識を蓄えていきますし、そういった人物が新たな経済圏でもより豊かになっていくのでは…。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
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