備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文「cDNA-AFLP・マイクロアレイ・Gene chipの定量比較: 出芽酵母の遺伝子発現データにおいて」

 論文の主題である定量比較の部分は、読んでいません。cDNA-AFLPが、遺伝子発現をどれほど網羅的に解析できるのか、に関する部分のみ読んでみました*1

Reijans M., Lascaris R., Groeneger A.O., Wittenberg A., Wesselink E., van Oeveren J., de Wit E., Boorsma A., Voetdijk B., van der Spek., Grivell L.A. and Simons G. et al. , 2003, Quantitative comparison of cDNA-AFLP, microarrays, and genechip expression data in Saccharomyces cerevisiae, Genomics, 82 (6), 606-618.

 この論文で対象とされている出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeは全ゲノム塩基配列が解読されています。ORF(Open Reading Frame*2)を6287個持つそうです。

REcombというAFLP解析用のソフトを用いて計算したところ、TaqI-MseIなどの制限酵素のペアによって解析可能な断片(fragment)は、全遺伝子の75%だと言います。

AFLPが、対象生物種の遺伝子をどれほど網羅できているかを知るためには「coverage」という単語を用いればよいのだと分かりました。

 

 

(2016.03.27 追記)

cDNA-AFLPにおける2倍以上の蛍光強度の変動で「発現変動」とみなしてます。cDNA-AFLPとマイクロアレイとで結果が合わない断片のある原因として、gel artifactやmismatch amplificationが考察されている点は非常に参考になります。しかしデータ解析方法がなんとなく不透明。読めてないだけかもですが、cDNA-AFLPの110断片を選択した方法とか良く分からなかったです。

 

cDNA-AFLPの定量性に関しては以下の論文も参考になります。

Breyne P., Dreesen R., Cannoot B., Rombaut D., Vandepoele K., Rombauts S.,  Vanderhaeghen R., Inze R., Zabeau, M., 2003,  Quantitative cDNA-AFLP analysis for genome-wide expression studies, Mol. Genetics Genomics, 269 (2), 173-179.

 タバコの葉の細胞周期による発現変動を調べているのですが、発現変動の有意差の決め方が「CV > 0.25」でした。同一細胞周期におけるばらつきが大きかっても発現変動しているとみなされるんじゃ…。そんなことはないという前提があるのかな。

*1:論文の導入部ですが・・・。

*2:自分は遺伝子数とイコールだと理解してます。