2015年1月号のNature ダイジェストから「被引用回数の多い科学論文トップ 100」という記事。
内容はタイトル通りです。1900年以降の学術論文の被引用数トップ100を調べたものです。各論文の詳細はこちら。DNAの二重らせん構造に関するWatsonとCrickの論文など教科書級の大発見の多くは、トップ100に入っていません*1。ランクインした論文の多くは、手法やソフトウェアを開発した研究だということです*2。
被引用回数が論文の「偉大さ」を表している訳ではないという話。また、分子生物学やバイオインフォマティクスの分野で、引用回数の多いことが分かるランキングです。
エール大学(米国コネチカット州ニューヘイブン)の化学者Peter Mooreは、研究者はこのリストから1つの大きな教訓を導き出すことができると指摘する。「被引用回数が欲しいなら、人々がやりたがっている実験を可能にするか、もっと容易にするような手法を開発すればよいのです。そうすれば、宇宙の秘密を解き明かすよりはるかに上位にランクインできるでしょう」。
(2015.12.03追記)
上の記事に関連するEditorialが今週のNatureに掲載されてました。
Take more risks : Nature News & Comment
地道な研究(上にあるような結果的によく引用されるような研究)も、リスキーな研究もなされなくなるのは良くない。自分も最近になってようやく、地道な研究の重要さを痛感し始めてます(遅い)。