生物ってなんでもありだな、というのが一番の感想。
進化は突然変異と自然選択だけではなく、共生発生や異種交配、エピジェネティクスによっても生じる。そしてウイルスは共生発生による進化の大きな推進力になっている。端折りまくった本書の概要は、おおよそこんな感じです。著者は医師ということで、医学への応用についても詳しく書かれています。
ヒトゲノムの中にウイルスに由来する配列があるということぐらいはなんとなく知ってましたが、それは真核細胞とシアノバクテリアの共生によってミトコンドリアが誕生したのと同様の共生の結果であり、これまでに幾度となく繰り返し生じているとは全然知りませんでした。しかも、内在化した(ゲノムに入り込んだ)ウイルスの中にはタンパク質を合成しているものや疾患・免疫に関与しているものもあるとか。もう訳分かりませんね。
かなり読み応えがありました。大げさですが、生物観を揺さぶられるような感じ。ただ半年ほど前に大方読んで放置していたので、今は熱が逃げてしまいました…。
破壊する創造者――ウイルスがヒトを進化させた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: フランクライアン, ,夏目大
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/12/15
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る