備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: マイクロプラスチックとバイオフィルム

論文書きのための論文読みばかり続くと、テンション下がってきますよね。漫然と読みたい時もある。てことで面白そうだったマイクロプラスチック論文。今のところマイクロプラには(ほぼ)自らの研究でかかわってませんが、来年度はいくつか関わりそうな感じ…。

 

Amariei G, Rosal R, Fernández-Piñas F, Koelmans AA, 2021, Negative food dilution and positive biofilm carrier effects of microplastic ingestion by D. magna cause tipping points at the population level, Environ Pollution 118622.

ポリエチレン(PE)を下水流入水で1〜3週間培養したら、PEを与えない場合に比べてむしろオオミジンコの14-day生存率が増加した。これは、培養することでPE表面にバイオフィルムができ、ミジンコの餌として機能し、PEマイクロプラスチックの主な毒性原因である"food dilution"が働かなくなったからでは、というお話。"food dilution"を軸にするために、そもそもの生存試験の餌の藻類を低濃度(0.0125 mgC/L/day)で与えています。

"To our best knowledge this work is the first quantitative assessment of this interaction(=biofilm形成とMP自身の影響)."と書いてますが、その定量的な議論はいまいち追いきれず。

 

Schür C, Weil C, Baum M, Wallraff J, Schreier M, Oehlmann J, Wagner M, 2021, Incubation in Wastewater Reduces the Multigenerational Effects of Microplastics in Daphnia magna, Environ Sci Technol 55(4): 2491-2499. 

Norwayのグループの論文。上と同じように、下水流入水で38時間培養したポリスチレン(PS)を、低餌濃度で(0.05 mgC/daphnid/day)オオミジンコに曝露して、多世代の生存や産仔を見ています。こちらの論文でも、下水で培養することでマイクロプラスチックの毒性は下がっています。その原因はほぼdiscussionのみ。培養によって表面のチャージや粒子径に変化はなかったと書いています。