備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

第57回日本水環境学会年会@愛媛大学

表記の学会に参加してきました。3/15~3/17の3日間の学会ですが、2日目の午後から最後までの参加。

環境学会年会は2019年以来の対面開催でした。私の専門とドンピシャの学会という感じではないですが、出身学科の同窓会的な側面もあり、久しぶりに会えた人も多くて楽しめました。

 

マイクロプラスチック(MP)関係はやはり盛況で、最終日に3つセッションがありました。ナノスケールのプラスチックの検出(3-B-09-1、3-B-10-4)や、生態毒性試験への使用を見据えて人工的にマイクロプラスチックを劣化させる話、MPのサイズと重量の関係(3-B-09-3)、海表面マイクロ層(Sea surface microlayer)にMPが濃縮している話(3-B-10-1)など面白かったです。サイズと重量の関係については、ウルトラミクロ天びんを使って個々のMPの重量を量ることで、2次元の画像から体積と重量を推定している既存の研究が重量を1桁過大評価している可能性を指摘していました。ウルトラミクロ天びんを早速ググってみましたが、100万円は超えそうで遊びでは買えないですね。

鈴木聡先生の薬剤耐性菌に関する基調講演も面白かったです。共存する金属や有機物で水平伝播が促進されるとか(Suzuki et al., 2012など)、原生生物に取り込まれた後も機能が完全に失われるわけではないとか(ここはあまり深堀りされなかったのでもう少し聞きたかった)。前者はマイクロプラスチック問題とも関連していて、水環境学会的にも興味ある人が多いのではないでしょうか。