前回に引き続き、類似度のデータ解析方法を勉強中。特に生態学分野での、群集間における種構成の比較法。どれもあまり真面目には読んでません。
色々読んでると、類似度を算出するためのデータ前処理法が結構バラバラです。log変換、2乗根変換など。
「ヤナギ根圏における微生物の発現プロファイルは土壌汚染によって変化する」
Yergeau E., Sanschagrin S., Maynard C., St-Arnaud M. and Greer C.W., 2014, Microbial expression profiles in the rhizosphere of willows depend on soil contamination, ISME J, 8(2), 344-358.
土壌中の微生物叢の構成と遺伝子発現が、土壌の汚染およびヤナギの有無によってどう変化したかの研究。実験条件による違いの検定にperMANOVAを使っていて、毎回F値(擬似F値とでも言うべき?)とp値を記してます。交互作用も検定してる。
その他、類似度の検定・比較をおこなっている研究例
吉野健児, 山本浩一, 速水祐一, 濱田孝治, 山口創一, 大串浩一郎, 2009, 有明海湾奥部干潟域のマクロベントス相, 日本ベントス学会誌, 64, 15-24.
ベントス相の群集構造データは、4乗根変換後に類似度計算に用い、perMANOVAで検定。
nMDSだけでなく、CAP (Cannonical Analysis of Principal coordinates) という手法でも視覚化をおこなってます。いまいち理解できてませんが、「MDSで構成される軸について判別分析を適用する手法」ということで、無理くりグループによる差異を視覚化とする手法にも思えます。。。
寒川浩, 下出信次, 橋本隆司, 菊池知彦, 2008, 相模湾真鶴港内におけるメイオベントスおよび自由生活性線虫類を用いた底質環境の評価法の有効性, 日本ベントス学会誌, 63, 11-22.
こちらの論文では、ANOSIMを用いて地点間の群集構造比較をおこなっています。個体数、乾燥重量などのデータはlog変換、標準化(百分率化)して類似度算出。