備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年によく聞いた音楽

2023年のSpotifyまとめ。12月のまだ1日なのに今年のまとめが出されるのが、ちょっとイヤかも。まだ今年を終わらせないでくれー。 今年のTop5。Watson、LEX、LANA、Creepy Nuts、JUMADIBA。日本語ラップばかりのラインナップでした。 Watsonは確かにかなり聞…

論文のメモ: ToxCastデータと生態毒性in vivoデータの比較

Schaupp CM, Maloney EM, Mattingly KZ, Olker JH, Villeneuve DL, 2023, Comparison of in silico, in vitro, and in vivo toxicity benchmarks suggests a role for ToxCast data in ecological hazard assessment, Toxicological Sciences 195(2): 145-15…

論文のメモ: 皮脂や糞便のmRNAシーケンス解析

尿に含まれるRNAの話を以前書きました。 水生生物の環境RNAという観点では、尿の他に皮膚と糞も重要なソースだろうと思い、今度は皮膚と糞のmRNAをシーケンスする話。これらはヒトの研究です。どちらもAmpliSeqという、PCRでターゲット遺伝子を増幅してから…

論文のメモ: 単離したミトコンドリアの応答の種間差

この記事の続き。 生物種によってミトコンドリアのswelling assayの応答が異なるという論文がありましたが、同じように種によって単離したミトコンドリアの応答が異なる話。 Ricchelli F, Dabbeni-Sala F, Petronilli V, Bernardi P, Hopkins B, Bova S, 200…

論文のメモ: 環境DNAのメチル化

Zhao B, van Bodegom PM, & Trimbos KB, 2023, Environmental DNA methylation of Lymnaea stagnalis varies with age and is hypermethylated compared to tissue DNA. Molecular Ecology Resources, 23(1): 81-91. 環境DNAでメチル化を見た初の論文。異な…

論文のメモ: 環境RNAで水生生物の生活段階を区別できる

Parsley M, Goldberg C, 2023, Environmental RNA can distinguish life stages in amphibian populations, Mol. Ecol. Resources, in press. これまでの環境RNAの論文は、リボソームRNAやミトコンドリアRNAなど、条件や生活段階で変化しないような遺伝子を…

2023年に出た6PPD-quinoneの報告

ギンザケ死亡症候群の原因物質であると2020年の年末に報告された6PPD quinone(6PPD-キノン; 6PPD-Q)の話(→2020年のScience)。当時はCAS番号が割り振られていないなど、全くの新規物質でしたが環境中での検出例や動態、毒性に関する報告が色々と出てきま…

論文のメモ: 尿に含まれるRNA

尿のにおいから、線虫にがんを診断してもらう検査があります。 その臨床における有効性はよく知りませんが、尿にいろいろな成分が含まれることは確かで、尿には数十~数百nmサイズのexosomeがあり、そこにmiRNAやmRNAが含まれているという研究は数多くあるよ…

論文のメモ: ナノポアシーケンサーを用いたTargeted RNA-Seq

Oxford Nanopore Technology社のシーケンサー。ナノサイズのポアにDNA・RNAを通して、その際の電流の変化から塩基配列を読み取ります。 ポアを通している途中で興味のある配列(群)でなければ、そのDNA・RNAを吐き出して、無駄な配列を読まないようにする「…

「相分離生物学の冒険」感想

つくばエクスプレスの線路破断のため3時間ほどつくば駅周辺に留まることになり、本屋に寄った際に購入。冒頭の息子さんの食物アレルギーのくだりでもう心を掴まれて購入決定しました。 相分離生物学(Phasing biology)は、タンバク質や遺伝子などの生物の個…

オルソログを教えてくれるRパッケージorthogene

異なる生物種間のオルソログを検索して紐づけてくれるRパッケージです。GitHubページはここ。 使いやすくて非常に助かりました。1.5年前からBioconductorにあるみたいですが、5年くらい前にあればめちゃめちゃ使ってましたね…、 マニュアルに大抵のことは書…

論文のメモ: ミトコンドリアのSwelling assay

ミトコンドリアの機能の研究方法についてお勉強。酸素消費速度(OCR)とか膜電位とか。 その中でMitochondrial swelling assayというのがあり、少しメモ。Swellingとは膨潤と訳されることが多く、例えばミトコンドリアの膜透過性遷移孔(mPTP)が開く際など…

第57回日本水環境学会年会@愛媛大学

表記の学会に参加してきました。3/15~3/17の3日間の学会ですが、2日目の午後から最後までの参加。 水環境学会年会は2019年以来の対面開催でした。私の専門とドンピシャの学会という感じではないですが、出身学科の同窓会的な側面もあり、久しぶりに会えた人…

論文のメモ: 近年の生態毒性分野でのトランスクリプトーム解析

3歳半になった娘と暮らしていると、クレヨンしんちゃん(原作。アニメはほとんど知らない。)は、育児マンガだったんだなと良く思います。昔読んだクレしんの場面が頻繁に脳内再生されます。 生態毒性な分野でのRNA-Seq解析の使われ方について。何か特定の物…