備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

農薬

論文のメモ: 生態系保全のための農薬の底質基準

ひきつづき自宅就業中。 Nowell LH, Norman JE, Ingersoll CG, Moran PW, 2016, Development and application of freshwater sediment-toxicity benchmarks for currently used pesticides, Sci Total Environ 550: 835-850. ちら見して放っていた論文。底質…

論文のメモ: ネオニコチノイド系農薬による宍道湖漁獲高への影響

「ネオニコチノイドが水系食物網を崩壊させ漁獲高を減少させる」 Yamamuro M., Komuro T., Kamiya H., Kato T., Hasegawa H., Kameda Y., 2019, Neonicotinoids disrupt aquatic food webs and decrease fishery yields, Science 366: 620-623. 話題になって…

論文のメモ: Sediment TIEの実践例

色々な化学物質によって汚染された底質を対象に、どの物質(群)が有害な影響を及ぼしているのか探索する手法であるSediment TIE(Toxicity Identification Evaluation)を実施した論文。 「時空間的にばらつきのあるデータを用いたSediment TIE研究デザイン…

論文のメモ:ヨーロッパの新しい水質モニタリング (EDAや網羅的な化学分析)

年始に参加させてもらった、混合物・複合影響評価に関する勉強会。その内容に近い論文を読んでみました。 ヨーロッパでの水質モニタリングの話。 河川には人為起源の多数の化学物質が含まれるので、決められた少数の物質だけモニタリングの対象にしていては…

論文のメモ: 都市環境における農薬の分布

以前、道路での除草剤・殺虫剤散布について調べました。その時は有益な情報をあまり見つけられなかったので、新たに情報を追加してみました。 「都市における塵埃粒子中の殺虫剤の分布」 Richards J., Reif R., Luo Y., and Gan J., 2016, Distribution of p…

最近読んだ論文のメモ: ネオニコチノイドによる遅発毒性について

前回の記事のネオニコチノイドの曝露時間と影響との関係を書いていて、昔、ネオニコのような神経系の毒は遅発性だと読んだのを思い出しました(この記事とか)。 ネオニコの遅発毒性 delayed toxicity に関する文献を、さらに探ってみました。 「イミダクロ…

最近読んだ論文のメモ: ニコチンの生態毒性 その4 ~ネオニコの作用機序との比較~

ニコチン毒性の作用機序は、農薬のネオニコ関連でたくさん研究されているようす。 Yamamoto I., Yabuta G., Tomizawa M., Saito T. Miyamoto T. and Kagabe T., 1995, Molecular mechanism for selective toxicity of nicotinoids and neonicotinoids, J. Pe…

最近読んだ論文のメモ: パルス曝露の影響

定常的な曝露ではなくて、短期間の曝露の影響についてどんな研究がなされているのかちょっとだけ調べてみました。農薬の研究が結構多いみたいです。 「短期間の殺虫剤曝露がヨコエビの生存と繁殖能に与える影響」 Cold A. and Forbes, V.E., 2004, Consequen…

最近読んだ論文のメモ: 除草剤・殺虫剤の毒性と塩分

もしかしたらと思い付きで、高速道路などにおける除草剤の使用について調べてます。今は道路などで除草剤の散布はほとんどされてないだろうとは思いつつ。 あまり情報が見当たらなかったのですが、平成元年の国会質問で高速道路での除草剤使用について触れら…

論文「ネオニコチノイド系農薬にまつわるやっかいごと」

論文といってもperspectiveですが。 Sánchez-Bayo F, 2014, The trouble with neonicotinoids, Science, 346(6211), 806-807. ネオニコチノイドというのは、現在広く使用されている殺虫剤のグループです。タバコに含まれるニコチンは、ニコチノイドというグ…