備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

研究生活・研究者・論文執筆など

環境化学・生態毒性関連の査読付き雑誌に関する所感 ~2024年1月時点~

環境化学および生態毒性関連の査読付き雑誌(ジャーナル)についての所感。現時点で思ったことを記録として残しておきます。誰かに提言しているわけではなく、将来の自分のために個人的なスタンスを書き残しているという感じ。想定しているのは以下の表のよ…

塩酸からのDOCコンタミ

TOC計で水試料のDOC(溶存有機炭素)濃度をよく測定しています。 TOCはTotal Organic Carbonなので、TC(全有機炭素)からIC(無機炭素=炭酸塩炭素)を差し引いて求めます。その測定法には一般にTC-IC法とNPOC法(Non-Purgeable Organic Carbon)があります…

環境化学物質3学会合同大会に参加しました

6/14から6/16まで富山国際会議場で開催された環境化学物質3学会合同大会に参加しました。環境化学会、環境ホルモン学会、環境毒性学会の3つの学会が合同で行う発表会です。ちなみに私はこのうちの2学会の会員です。 開催後に事務局から来た報告メールによる…

SETAC Europe 32nd Annual Meeting@Copenhagenにオンラインで参加しました

オンラインと現地のハイブリッド開催。 自分はオンラインのみで参加。ハイブリッドと言いつつ、ほぼ現地開催メインのようでした。Q&Aにほぼ書き込みを見なかったくらい、オンラインは全然盛り上がっていませんでした…。前回参加した完全オンラインのNorth Am…

某誌での 修正原稿 受付日

某環境系の論文誌に1st authorの論文がアクセプトされました!その前日、共著の論文もその姉妹誌にアクセプトされました。 そこで気になったのが、どちらの論文でもアクセプトの前日や前々日に、Editorial Officeから引用文献の書き方とか「ふつうは著者校正…

責任者出せメソッドは論文投稿でも有効

某ゲノムアナウンスメントを投稿した時の話。 ある学術誌にゲノムアナウンスメント(ゲノム情報の簡単な説明を書いた短報)が受理されて、APC(Article Publicationn Charge)を支払い、著者校閲を済ませ、出版同意書(Author Publishing Agreement)も提出…

「海外で研究者になる-就活と仕事事情-」感想

別に海外で就職したいとは思ってませんが、評判良かったので。 筆者の在籍しているイギリスと、アメリカの大学の話多め。文系の研究者のインタビューもありますが、どちらかというと理系の話がメインです。 海外の大学に就職するのは、難しそうだと改めて思…

MDPIの査読をやってみた

スイスに本社を置く中国系の学術誌出版社MDPI。 MDPIの雑誌は、BiologyとかChemistryとかMetabolitesとか一単語のジャーナル名が多く、全部オープンアクセス。頻繁に勧誘メールを送り付けてくることで有名。 2019年9月からは東京にオフィスを構えたとか。 自…

某誌での査読

某環境系の学術誌に論文投稿して先日受理されました。Major revisionで修正した原稿を返したら、その当日に受理になりました。 5人も査読者がいたので査読対応のコメントだけで20ページにも及ぶ力作を送ったのに、ほぼ読まれてないだろうなー。自分が編集者…

「パパは脳研究者 -子どもを育てる脳科学- 」感想

帰省中に読了。 昔「単純な脳、複雑な『私』」を読んでから(「単純な脳、複雑な『私』」感想)、この著者のファンです。著者のTwitterからも分かりますが、自身の研究の直近だけでなく、ちょっと遠い研究の面白ばなしも意識的に収集してるんでしょうね。そ…

海外学振の面接

一昨日、海外学振の面接でした。いや〜ダメでしょうね…。変に期待がなくなってスッキリはしてますが。 面接は11時ちょうどから。その30分前に麹町のビルに到着。受付を済ませて、控え室でスライドの動作確認。控え室には5人ほどの候補者がいて、動作確認とか…

「ヒトゲノムを解読した男:クレイグベンター自伝」感想

ひと月くらい前に読了。 バイタリティに富んだ人間という一言に尽きます。 彼が海軍衛生兵としてベトナムへ従軍していた時の話。腹部に傷を負った二人の男が同時期に病院に運ばれてきた。ひとりは生きて当然だと思われたが、すぐに息を引き取った。もうひと…

海外ポスドク目指しての就活 ~公募アプライ編~

この時の続き。 この秋Marie-Curie FellowshipとCanon European Fellowshipに応募しましたが、12月中旬にCanonからはお祈り通知が来ました。Marie-Curieもおそらくダメだろう、ということで12月末から公募を探し始めました(遅い)。で、実際Mari-Curieはダ…

Marie-Curie fellowshipの結果が返ってきたよ

結果は惨敗。サクラ散る。 Marie-Curie Individual fellowshipはEUがお金を出しているフェローシップです。獲得すると、日本の大学教授並みの給料がもらえ、プラス旅費と家族手当、研究費が手に入り、同業者から一目置かれる(であろう)高ステータスなフェ…

海外ポスドク目指して就活中 ~メール・Skype編~

去年学位をとったポスドクです。 今の契約は今年度末までなので、そろそろ次のポジションを確定させておきたいところです。 何も考えず自由に海外へ行けるのは今ぐらいしかなさそうだし、一度は行ってみたいので、海外就活を目指すことにしました(適当)。 …

生物サンプルの送付依頼

1月ほど前、某国の研究者から遺伝子解析したいので生物サンプル送ってくれないか、という問い合わせメールが来ました。 良いよ~、でもCOI領域なら既に300 bpくらい既に読んであるので配列データ送るね、と返信したところ、1月ほど音沙汰なし。 自分とは異な…

H先生の最終講義

先日H先生の最終講義があって、見てきました。先生の半生記とか、学科の歴史とか、研究に対する哲学とかが聞けるかと思いきや、本当にふつうの講義みたいなのをしていました…。いちおう近年の研究の象徴的な話だったようですが、ちょっと残念でした。まあ、H…

SciRevに投稿してみた

ここで知ったSciRevというサイトに投稿してみました。 論文を投稿した時の査読にどれだけ時間がかかったか、などの経験談をまとめているサイトです。サンプル数が少ないので、あまり信頼度は高くないです。例えば環境系だと、経験談の最も多い雑誌(Agronomy…

論文のメモ: 下水中の薬品・科学論文の書き方など

Editorialなど、最近読んだ短い文章をいくつか。 2016, Using waste water to flush out drug dealers, Nature, 537 (7620), 280. 違法ドラッグの使用を調べるために下水を使うというのが面白いです。自分の学科ではPPCPや大腸菌の挙動調査に下水が使われて…

科研費書いてる

今月から学振PDに肩書が変わり、科研費の申請資格をゲットしました。 あと残りの1年半は学振PDのお金が使えますが、その後のこと考えると科研費を取っておいて損はないので、申請することに。 昔は、PDには科研費の申請資格はなかったみたいですが、平成26年…

博士論文の審査会

7月末に終わりました。 夕方5時から、45分の口頭発表と45分の質疑応答。それから主査と副査で非公開の審議によって、合否の判定。審議はおよそ15分ほど。 審議の後、「合格です」とかそういった類の言葉を聞けるかと思って主査の先生のもとへ行ったら、博士…

Rejectされたー

W誌に出していた論文。Rejectでした。 コメントから察するに、1人の査読者はおそらくreject判断で、もう1人はmajor revision。rejectにした査読者は、そもそも論文の要件を満たせてないと思ってる様子。今回の論文は「~が原因とは言えない」というのが結論…

副査の先生に博論ドラフト提出

GW明けに博士論文の予備審査。今週、副査の先生方に論文ドラフトを渡しました。 副査は四人。うち三人が同じ学科で、一人は外部機関所属(つくばの某研究所)。 渡すためだけにつくばまで行くのは面倒だなと思ってましたが、直接会って良かったかも。色んな…

博士論文提出までのスケジュール

自分は秋入学なので、順当に進めば夏学期に博士論文 提出です。先輩方の例では、最終審査は7月頃。そこからさかのぼって、博士論文提出までのスケジュールを書いておきます。 3月末:博士論文の初期原稿を指導教員の先生に提出 4月中旬:副査の先生方に予備…

去年の振り返りと 2016年にやりたいこと

あけましておめでとうございます。 2015年は充実してました。何より、研究が楽しかったです。 本筋の研究は4月頃にようやく手法が確立し、秋頃にはそれなりの結果が出始めました。 第一著者の論文が受理されたのが5月(論文がアクセプトされた - a record of…

学振DC2採用された

学振DC2採用されました!運よく面接免除で。Tスコアは3.4台なので、ぎりぎりだったみたいです。 業績は、論文0・国際学会3・国内学会5なので、かなりしょぼい方だと思います。(てか学会行き過ぎ?)ただ査読中の1st論文があり*1、それを「現在までの研究状…

環境毒性学会@東洋大

発表してきました。楽しかったです。修士の時にも参加しておけば良かった。好きな論文の著者を実際に見られるだけで、割とテンション上がりました。 底質毒性が幾度か話題にあがってました。しかしやらなきゃいけないね、みたいな話が中心で科学的な検討はま…

論文がアクセプトされた

3月にmajor revisionをくらって、4月に再投稿した論文。5月の末にアクセプトされました。やったね!かなりIFの低い雑誌だけど、嬉しいです。 しかし査読者がすごい丁寧というか、教育的というか、ありがたいというか、うるさいというか。再査読の後にも変更…

論文の考察

当時はDiscussion(考察)ってのは結果がなぜそうなったのかを、既存の研究報告を引用しながら説明するもんだと思ってた。でもそれって要するに「わざわざその研究をやらなくても分かってたこと」なんだよね。それを言うのに新たな実験は必要なかった、て言…

つぶやき

学振を書いて、意識高い系になってます。 てことで、基礎的な自習(専門に直接関係ない分野の学習)の時間を復活させよう。半年くらい前までは、分子生物学や水質化学の教科書を読んでたのですが…。この記事とかこの記事のあたり。 下のツイートを見て、また…