備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

論文「混合物と地下水がオオミジンコの転写産物に与える影響の評価」

環境中にある有害物質が1つの物質単独で存在することは非常にレアなケースです。多くは、複数の有害物質が同時に存在しています。 そのように複数の有害物質が混在する際の毒性影響は、物質が単一で存在する場合の毒性影響と異なるのでしょうか。例えば単一…

論文「湖沼底質の有機汚濁物質がDaphniaの休眠卵からの孵化に影響する」

Daphniaの乾燥卵殻 (dried ephippium) を、Greifensee湖の底質に曝露させてみた研究。15日間でのふ化率は、曝露させた系での方が高かったようです。 ちょっと意外な結果でしたが、ストレスのある環境で卵のまま死んでしまうのを防ぐために早くふ化する戦略を…

Rを用いた絶滅確率のモンテカルロシミュレーション

メモ。統計ソフトRを使って、個体群の絶滅確率を計算する関数を考え中。 n回繰り返しを行って、そのうち絶滅した回数を数えればよい。 f <- function (n) { count <- 0 for (i in 1:n) { # 1~nの値をとりながら{}内を繰り返す if (絶滅する条件) count <- co…

論文「Ni, ZnのDaphniaへの複合影響は、影響の度合いによって相乗的になったりならなかったりする」

ETCから来た新着論文のアラートにあったもの。まだ要旨しか見れないけど、面白そうだったのでメモしておきます。影響レベルの高い物質・濃度同士を組み合わせると相乗効果だが、影響の低い物質・濃度同士ならば濃度加算モデル(CA model)で説明できる、という…

論文「ゼブラフィッシュと水浄化技術:有害な都市排水の対策としてのバイオリテンション」

路面排水の生態毒性評価に関する論文。具体的な毒性低減策と結びつけた研究はあんまり見たことがなかったので、メモ。高速道路で採取した路面排水を土壌カラムに通して、ゼブラフィッシュの毒性試験をおこなったもの。 McIntyre J.K., Davis J.W., Incardona…

論文「転写産物の次世代シーケンス:非モデル動物におけるRNA単離ガイド」

前回に続きRNA固定・抽出のTips論文。 次世代シーケンサーの発展により、ショウジョウバエやマウスのようなモデル生物以外の生物種でもRNA抽出をおこなうことが増えました。 モデル生物で確立されたRNA抽出法・前処理法を、他の生物にそのまま適用しても上手…

論文「水生甲殻類RNAの簡易迅速な固定法」

RNA固定のTips論文。 Heckmann L-H et al., 2007, A simple method and rapid method for preserving RNA of aquatic invertebrates for ecotoxicogenomics, Ecotoxicol., 16, 445-447. Daphniaなどの水生生物のRNA固定をおこなうとき、水を除去するのが困難…

論文「甲殻類の慢性試験から推定した個体群増加率の感度解析」

前回の投稿に続き、個体群の話。あんまりちゃんと読んでないです。 Meyer J.S., Ingersoll C.G. and McDonald L.L., 1987, Sensitivity analysis of population growth rates estimated from cladoceran chronic toxicity tests, Environ. Toxicol. Chem., 6…

論文「個体群レベルでの生態毒性評価に関する日本語の総説まとめ」

個体群レベルでの生態毒性評価に関する日本語の総説。 田中嘉成, 中西準子, 1998, 慢性毒性の生命表評価法と生態リスク分析, 水環境学会誌, 21 (9), 589-595. 田中嘉成, 中西準子, 1998, 生態学モデルの生態リスク分析への適用 外挿法と生活史感度解析の効用…

雑感「研究の長期的視野」

よく議論される話ではあるけど、改めて考えさせられたのでメモ。 論文の質と量 - アメリカポスドクの歩き方 論文の質と量 - アメリカポスドクの歩き方 すごいざっくり書くと、日本の研究者には、質の低い論文を量産することしかできていない人が多いという話…

映画「マレフィセント」「マンマ・ミーア」

どちらもDVDで見たけど、面白かった。 マレフィセントはツンデレおばさんで、マンマ・ミーアのお母さんはアバズレおばさんだった。 ミュージカルってあまり馴染みがなかったんですが、見てみたら結構面白い。急に歌いだすとかの形式に抵抗さえなくなれば、楽…

日記「ソムタム作った」

大学で、タイからの留学生達がソムタムを作ってました。あるタイ人のお誕生日パーティーでした。鷹の爪がばんばん投げ込まれていくので、衝撃的な辛さでした。 うすのようなものに野菜、パパイヤ、鷹の爪、ニンニク、レモン汁などを入れて混ぜ混ぜします*1そ…

本「アクロイド殺し」

正月帰省の新幹線で読んだ本。犯人が誰なのか予め知っていて読みました。それでも十分楽しめました。 アガサクリスティー, アクロイド殺し, 羽田詩津子 訳, 早川書房 イギリスの田舎村の富豪アクロイドが殺された事件。仕事を引退して村へ越してきていたエル…

歴史的な大発見論文の被引用回数はそれほど多くない

2015年1月号のNature ダイジェストから「被引用回数の多い科学論文トップ 100」という記事。 内容はタイトル通りです。1900年以降の学術論文の被引用数トップ100を調べたものです。各論文の詳細はこちら。DNAの二重らせん構造に関するWatsonとCrickの論文な…

日記「正月の六甲登山」

1/2 (金) の夜から1/3 (土) の朝にかけて、雪の六甲山に登ってきました。夜中の登山です。 終電で宝塚駅に集合し、深夜の2時近くに甲子園大学のそばを通って山に入りました。 この日は10年に1度レベルの寒波ということで、宝塚駅のあたりからすでに雪が積も…