生態毒性
Sampurna, B. P., Audira, G., Juniardi, S., Lai, Y. H., & Hsiao, C. D. (2018). A simple imagej-based method to measure cardiac rhythm in zebrafish embryos, Inventions 3(2): 21. マジのメモ。Image Jで動画を取り込んで、心拍数のデータを取得する…
環境毒性と環境化学の学会であるSETACのAsia-Pacific会議に参加しました。2年に1回の開催で、今回は天津での開催でした。 縁あって、あるセッションの共同座長として招待してもらったのですが、すごい歓迎ぶりでした。座長や招待講演者のおそらく全員に対し…
Abele C, Perez A, Höglund A, Pierozan P, Breitholtz M, Karlsson O, 2024, Automated Image-Based Fluorescence Screening of Mitochondrial Membrane Potential in Daphnia magna: An Advanced Ecotoxicological Testing Tool, Environ Sci Technol, in…
魚類胚を用いた急性毒性試験(Fish Embryo Acute Toxicity Test; FET試験)の話。代替試験法を従来の試験法に近づける話という意味では、この記事の話などに近いです。 Reichstein IS, Becker AH, Johann S, Braunbeck T, Schiwy S, Hollert H, Schiwy A, 20…
マイクロプラスチック(MP)の話。MPの影響を調べた論文はもうすでにめちゃくちゃ多いですが、実はMPの曝露濃度を実際に測っている研究は多くないそうです。もっとも、蛍光ビーズを用いた場合は実測している場合も多いでしょうが、ファイバーやフラグメント…
ギンザケ死亡症候群の原因物質であると2020年の年末に報告された6PPD quinone(6PPD-キノン; 6PPD-Q)の話(→2020年のScience)。6PPD-Qに関する全ての論文を詳細に読むことは既に辞めてますが、いくつか面白かったものをここにピックアップしておきます。 …
環境化学および生態毒性関連の査読付き雑誌(ジャーナル)についての所感。現時点で思ったことを記録として残しておきます。誰かに提言しているわけではなく、将来の自分のために個人的なスタンスを書き残しているという感じ。想定しているのは以下の表のよ…
Palomares IMR, Bone AJ, 2024, Predictive value of the ToxCast/Tox21 high throughput toxicity screening data for approximating in vivo ecotoxicity endpoints and ecotoxicological risk in eco-surveillance applications, Sci Total Environ 16978…
化学物質の生物影響を調べる室内実験は、その多くが濃度応答反応を見ていて、時間と応答の関係を見ている研究は比較的少ないです。ここでは化学物質に曝露して、遺伝子発現応答の時間変化を追った研究について。 Schüttler A, Altenburger R, Ammar M, Bader…
Schaupp CM, Maloney EM, Mattingly KZ, Olker JH, Villeneuve DL, 2023, Comparison of in silico, in vitro, and in vivo toxicity benchmarks suggests a role for ToxCast data in ecological hazard assessment, Toxicological Sciences 195(2): 145-15…
ギンザケ死亡症候群の原因物質であると2020年の年末に報告された6PPD quinone(6PPD-キノン; 6PPD-Q)の話(→2020年のScience)。当時はCAS番号が割り振られていないなど、全くの新規物質でしたが環境中での検出例や動態、毒性に関する報告が色々と出てきま…
3歳半になった娘と暮らしていると、クレヨンしんちゃん(原作。アニメはほとんど知らない。)は、育児マンガだったんだなと良く思います。昔読んだクレしんの場面が頻繁に脳内再生されます。 生態毒性な分野でのRNA-Seq解析の使われ方について。何か特定の物…
11月13~17日にピッツバーグで開催されました。私は全く参加していませんが、要旨集がネットで見られるので主に6PPD-キノン(6PPD-Q)に関する発表でどんなのがあったのかをざっと確認してみました。 6PPD-Qに関する発表は全18件あり、そのうち8件が生態毒性…
Belanger SE, Lillicrap AD, Moe SJ, Wolf R, Connors K, Embry MR, 2022, Weight of evidence tools in the prediction of acute fish toxicity. Integr Environ Assess Manag, in press. P&GのScott Belangerらによるレビュー。動物愛護・動物福祉の観点か…
Zhang Y, Yin J, Qv Z., Chen H, Li H, Zhang Y, Zhu L, 2022, Deriving freshwater sediment quality guidelines of polycyclic aromatic hydrocarbons using method of species sensitivity distribution and application for risk assessment, Water Res …
Schaupp CM, LaLone CA, Blackwell BR, Ankley GT, Villeneuve DL, 2022, Leveraging ToxCast data and protein sequence conservation to complement aquatic life criteria derivation, Integr Environ Assess Manag, accepted. USEPAからの論文。SeqAPASS…
Coleman AL, Edmands S, 2022, Data and Diversity in the Development of Acute Water Quality Criteria in the United States, Environ Toxicol Chem 41(5): 1333-1343. 自然界の生物種の多様性に比べると、ごくわずかな生物種の毒性データに基づいて設定…
オンラインと現地のハイブリッド開催。 自分はオンラインのみで参加。ハイブリッドと言いつつ、ほぼ現地開催メインのようでした。Q&Aにほぼ書き込みを見なかったくらい、オンラインは全然盛り上がっていませんでした…。前回参加した完全オンラインのNorth Am…
Fuchylo U, Alharbi HA, Alcaraz AJ, Jones PD, Giesy JP, Hecker M, Brinkmann M (2022). Inflammation of gill epithelia in fish causes increased permeation of petrogenic polar organic chemicals via disruption of tight junctions, Environmental …
Wilkinson JL, Boxall AB, Kolpin DW, Leung KM, Lai RW, Galbán-Malagón C, ... Teta C, 2022, Pharmaceutical pollution of the world’s rivers, Proc National Acad Sci 119(8). PNAS。世界規模で医薬品・生活関連物質(PPCPs)の測定を行った論文。読み…
いつも地味に気になっているがすぐ忘れてしまうCYP代謝のメモ。 Ikenaka Y, Eun H, Ishizaka M, Miyabara Y, 2006, Metabolism of pyrene by aquatic crustacean, Daphnia magna, Aquatic Toxicol 80(2): 158-165. ミジンコにおける、PAHの1種ピレンの代謝産…
ギンザケ死亡症候群の原因物質であると昨年末報告された6PPD quinone(6PPD-キノン; 6PPD-Q)の話(→昨年末のScience)。2021年の半ばまではまだ標準品がなかったので速報的なものが多かったですが(→2021年に出た論文のまとめ)、Scienceの論文発表から丸1…
サケが川に遡上してきて産卵前に死亡する現象(Prespawn mortality)。ギンザケを対象にしたScience論文のグループの研究(NOAA、ワシントン州立大学、ワシントン大学タコマ校など)ばかり追ってましたが、この現象は他のグループからも色々報告されてました…
2020年の末にワシントンのグループによって、降雨時のギンザケ死亡の原因物質であることが報告された6PPD-キノンの続報(参考:ギンザケの死亡を引き起こすタイヤ由来の化学物質)。 Tian Z, Gonzalez M, Rideout CA, Zhao HN, Hu X, Wetzel J, ... Kolodzie…
2歳半近くになりイヤイヤ期を脱した娘。この1年間くらい、だいたい同じ年齢の甥っ子や姪っ子(つまり娘にとってはいとこ)と会うたびに、おもちゃを取り合って衝突していましたが、ようやくそれが収まる兆しを見せてきたかも。帰省の間、数回に1回、自ら引く…
論文書きのための論文読みばかり続くと、テンション下がってきますよね。漫然と読みたい時もある。てことで面白そうだったマイクロプラスチック論文。今のところマイクロプラには(ほぼ)自らの研究でかかわってませんが、来年度はいくつか関わりそうな感じ……
オンライン開催。 自分は共著の発表一つだけしかしていませんが、いくつか発表を聞いてました。オンライン開催だと、新しいヒト・発表への出会いが中々うまくいかない反面、いつでも発表が聞けるのは嬉しい。なお、リアルタイムの催しは一つも参加できません…
Knapen D, 2021, Adverse outcome pathways and the paradox of complex simplicity, Environ Toxicol Chem. in press. 短い意見論文。ET&CのPoints of Referenceという枠。 AOP NetworkのKnapen氏が書いてたので、読んでみました。 AOP(Adverse Outcome Pa…
ギンザケ死亡症候群の原因物質であると昨年末報告された6PPD quinone(6PPD-キノン)の話(→昨年末のScience)。今年になって環境分析の結果がいくつか出てきたので、まとめ。 Huang W, Shi Y, Huang J, Deng C, Tang S, Liu X, Chen D, 2021, Occurrence of…
日本でもスコールみたいな雨が頻発するようになって久しいですが、増水や洪水による(化学物質の移動を介した)生態影響の話。 Crawford SE, Brinkmann M, Ouellet JD, Lehmkuhl F, Reicherter K, Schwarzbauer J, ... Hollert H, 2021, Remobilization of p…