備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

底質

論文のメモ: 分配係数 Kocの値に何を使用するか

このへんの話 の続き。忘れそうなのでメモ。 Norman JE, Kuivila KM, and Nowell LH, 2012, Prioritizing pesticide compounds for analytical methods development: U.S. Geological Survey Scientific Investigations Report 2012–5045, 206 p. USGSでは、…

論文のメモ: 土壌・底質汚染についてのET&C Points of Reference

最近ET&C(Environmental Toxicology & Chemistry)にPoints of Referenceなる短いコーナーが出来ました。1,000 words以内の査読なしの意見論文だそうです。そのPoRに、今年になって土壌、底質の話が何度か登場していたので、メモっておきます。 Neaman A, S…

論文のメモ: Target Lipid Modelとその底質基準への応用

// USEPAのPAHの底質基準(USEPA,2003,EPA/600/R-02/013)のベースとなっている理論であるTLMと、その底質基準への応用について。 Di Toro DM, McGrath JA, Hansen DJ, 2000, Technical basis for narcotic chemicals and polycyclic aromatic hydrocarbon c…

論文のメモ: 平衡分配法における分配係数Kocの不確実さ

// 前回書いたように、底質基準の設定法にはざっくり3つのアプローチがあります。 2つ目のアプローチ(EqP)では、分配係数Kdと水のみ曝露の毒性値Cw(≒水質基準値)を用いて、底生生物に影響の生じうる底質濃度Csを算出します。 (Eq.1) このKdは通常、底質…

論文のメモ: 生態系保全のための農薬の底質基準

ひきつづき自宅就業中。 Nowell LH, Norman JE, Ingersoll CG, Moran PW, 2016, Development and application of freshwater sediment-toxicity benchmarks for currently used pesticides, Sci Total Environ 550: 835-850. ちら見して放っていた論文。底質…

論文のメモ: ヨコエビのサイズと細粒分への応答

絶賛自宅就業中。 Anderson B, Phillips B, Voorhees J, Siegler K, Trowbridge P, 2020, Size-specific responses of the amphipod Eohaustorius estuarius to clay in sediment toxicity testing, Environ Sci Pollut Res 1-8. ここに昔書いたのと同じマイ…

論文のメモ: Sediment TIEの実践例

色々な化学物質によって汚染された底質を対象に、どの物質(群)が有害な影響を及ぼしているのか探索する手法であるSediment TIE(Toxicity Identification Evaluation)を実施した論文。 「時空間的にばらつきのあるデータを用いたSediment TIE研究デザイン…

論文のメモ: 分配係数と固液比

// 固相-液相間でのある汚染物質の分配を考えたいとします。固相Sは例えば底質とかで、液相Lはそれに接している水とかです。平衡状態にあるならば、一般に次の式が成り立ちます。 は固相に吸着した物質の濃度、は液相中の濃度です。平衡状態なら、この比率、…

論文のメモ: EDA・TIEについての最近の論文

最近出たEDA(Effect-Directed Analysis)とTIE(Toxicity Identification Evaluation)に関する論文。 「底質の複雑な毒性の診断:TIEとEDA」 Li H., Zhang J., You J., 2017, Diagnosis of complex mixture toxicity in sediments: application of toxicit…

論文のメモ: 底質の金属毒性

「底質中の金属毒性の予測」 Simpson SL, Batley GE, 2007, Predicting metal toxicity in sediments: a critique of current approaches, Integr Environ Assess Manag 3:18-31. 総説。以下に簡単なまとめ。 底質の金属毒性を考えるときは、生物種による違…

論文のメモ: メタゲノム情報の保存庫としての貝殻

気晴らしで読んだ論文。 「メタゲノムアーカイブとしての貝殻」 Coutellec MA. 2017. Mollusc shells as metagenomic archives: The true treasure is the chest itself. Mol Ecol Resources 17(5): 854-857. Der Sarkissianら (2017) の解説記事。貝殻のDNA…

論文のメモ: 底質汚染に対するヨコエビの感受性

論文のIntroductionに「底質汚染に対するヨコエビの感受性は高いよ」と書こうとしたけど、意外と根拠になるデータがぱっと思いつかず…。正当化できそうな論文を探してみました。 今更ながら。古い論文多め。 「サンフランシスコ湾のDDT・ディルドリン汚染地…

論文のメモ: 下水中の薬品・科学論文の書き方など

Editorialなど、最近読んだ短い文章をいくつか。 2016, Using waste water to flush out drug dealers, Nature, 537 (7620), 280. 違法ドラッグの使用を調べるために下水を使うというのが面白いです。自分の学科ではPPCPや大腸菌の挙動調査に下水が使われて…

論文のメモ: 底質環境における金属の毒性 ~bioaccumulationとの関連~

底生生物への金属の毒性と、bioaccumulationとの関連。粒子態の金属の寄与、dietary exposure routesの寄与をどう考えるか、そのへんの問題に対するヒントを探る目的で読んでみました。 「水生無脊椎動物における金属の毒性・摂取・蓄積―甲殻類における亜鉛…

論文のメモ: 底質試験における細粒分の影響

底質試験はふつうの水系の毒性試験に比べて交絡因子が多くなりがちです。細粒分含有率もそのひとつ。 似たような話はこのへんにも。 「カイミジンコを用いた底質試験における細粒分の影響」 Casado-Martinez M.C., Burga-Pérez K.F., Bebon R., Férard J.F.,…

論文のメモ: ヨコエビの曝露試験による環境底質の汚染評価

急性致死影響が出ないレベルの汚染底質を主な対象として、ヨコエビの曝露試験を実施した論文たち。古典論文多め。 「非汚染底質におけるヨコエビと二枚貝の成長」 Nipper M.G. and Roper D.S., 1995, Growth of an amphipod and a bivalve in uncontaminated…

最近読んだ論文のメモ: 底質の性状と重金属の繁殖阻害毒性

「底質の特性と摂食曝露によって説明される銅の非致死毒性」 Campana O., Simpson S.L., Spadaro D.A. and Blasco J., 2012, Sub-lethal effects of copper to benthic invertebrates explained by sediment properties and dietary exposure, Environ. Sci.…

最近読んだ論文のメモ: 底質のTIE (底質抽出画分をスパイクする場合)

「底質と底質抽出物の毒性評価」 Wiklund A.K.E. and Broman B.S.D., 2005, Toxicity evaluation by using intact sediments and sediment extracts, Mar. Pollut. Bull., 50(6), 660-667. パルプ工場付近の底質の毒性を、ヨコエビMonoporeia affinisによっ…

最近読んだ論文のメモ: 類似度のグループ間比較法について (perMANOVA, ANOSIMなど)

前回に引き続き、類似度のデータ解析方法を勉強中。特に生態学分野での、群集間における種構成の比較法。どれもあまり真面目には読んでません。 色々読んでると、類似度を算出するためのデータ前処理法が結構バラバラです。log変換、2乗根変換など。 「ヤナ…

最近読んだ論文のメモ: bioavailability考慮したTIE・底質関連の細菌群集・在来種を用いた毒性試験

「中国南部の都市河川底質におけるTIE: bioavailability考慮」 Yi X., Li H., Ma P. and You J., 2015, Identifying the causes of sediment‐associated toxicity in urban waterways in South China: Incorporating bioavailabillity‐based measearuments i…

最近読んだ論文のメモ: SOMでの汚染源推定・GLM・実験室で使用する溶媒のハザード点数

「SOMを用いた底質重金属汚染源の推定」 Pandey M., Pandey A.K., Mishra A. and Tripathi B.D., 2015, Application of chemometric analysis and self Organizing Map-Artificial Neural Network as source receptor modeling for metal speciation in rive…

最近読んだ論文のメモ: 沿岸域での炭素吸収・UとCdの複合影響・底質の沈降

「海洋生物地球化学:沿岸域の炭素」 Gruber N., 2015, Ocean biogeochemistry: Carbon at the coastal interface, Nature, 517, 148-149. ニュース記事。元になっているのはLaruelleら(2014)の論文。 沿岸域は大気中CO2の大きな吸収源になっているとの報告…

最近読んだ論文のメモ: UCMとPAHのbioavailability・集団内・間の遺伝子発現のばらつき

「UCMがPAHのbioavailabilityに与える影響」 Du J., Mehler W.T., Lydy M.J. and You, J., 2012, Toxicity of sediment-associated unresolved complex mixture and its impact on bioavailability of polycyclic aromatic hydrocarbons, J Hazard. Mater., …

最近読んだ論文のメモ: ブラジルと中国の底質汚染・多変量解析による汚染底質の分類

「ブラジルにおける下水流出が底質汚染に及ぼす影響」 Abessa D.M., Carr R.S., Rachid B.R., Sousa E.C., Hortelani M.A. and Sarkis J.E., 2005, Influence of a Brazilian sewage outfall on the toxicity and contamination of adjacent sediments, Mar.…

最近読んだ論文のメモ: 東京湾底質の汚染・遺伝子発現の個体差

「東京湾底質のLAS・LAB汚染」 Hideshige T., Ishiwatari R. and Norio O., 1992, Distribution of linear alkylenzenes (LABs) and linear alkylbenzene sulphonates (LAS), Estuar. Coast. Shelf Sci., 35, 141-156. 前回に続き、東京湾底質の微量物質汚染…

最近読んだ論文のメモ: 東京湾底質の汚染・二枚貝のマーカー遺伝子

「東京湾底質の微量物質汚染のターゲット・スクリーニング分析」 Pan S., Kadokami K., Li X., Duong H.T. and Horiguchi T., 2014, Target and screening analysis of 940 micro-pollutants in sediments in Tokyo Bay, Japan, Chemosphere, 99, 109-116. …

最近読んだ論文のメモ: 雨水と底質とWET・HOCの分配とDO

「雨水と底質の汚染評価における従来・新規の毒性試験手法の役割」 Burton G.A., Pitt R. and Clark S., 2000, The role of traditional and novel toxicity test methods in assessing stormwater and sediment contamination, Crit. Reviews Environ. Sci.…

論文「異なる曝露時間で自然・化学ストレスを与えたヒメミミズの遺伝子発現解析」

ヒメミミズEnchytraeus albidus を使って2,4,21日間曝露試験を行い、生存個体の遺伝子発現をマイクロアレイによって解析した論文。 曝露物質は銅とフェンメデファン(除草剤)で、土壌にスパイク。また土壌の粒径やpHが異なる曝露系も実施。21日というのは、…

論文「無機鉱物表面へのPAHsの吸着」

ほとんど読んでませんが、データのメモ。 Muller S., Totsche K.U. and Kogel Knabner I., 2007, Sorption of polycyclic aromatic hydrocarbons to mineral surfaces, European J. Soil Sci., 58(4), 918-931. 多環芳香族炭化水素(PAHs)のような疎水性物…

論文「シリカを用いた人工底質下で行うヨコエビのZn毒性試験」

底生生物を用いる毒性試験では、自然環境中から採取した底質ではなく、人工的に作成した底質(以下、人工底質; artificial sediment, formulated sediment)を用いる場合があります。例えばユスリカの底質毒性試験は、石英砂とカオリンなどを混合した人工底…