備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

NGS

論文のメモ: 化学物質曝露による遺伝子発現の時系列変化

化学物質の生物影響を調べる室内実験は、その多くが濃度応答反応を見ていて、時間と応答の関係を見ている研究は比較的少ないです。ここでは化学物質に曝露して、遺伝子発現応答の時間変化を追った研究について。 Schüttler A, Altenburger R, Ammar M, Bader…

論文のメモ: ナノポアシーケンサーを用いたTargeted RNA-Seq

Oxford Nanopore Technology社のシーケンサー。ナノサイズのポアにDNA・RNAを通して、その際の電流の変化から塩基配列を読み取ります。 ポアを通している途中で興味のある配列(群)でなければ、そのDNA・RNAを吐き出して、無駄な配列を読まないようにする「…

論文のメモ: 近年の生態毒性分野でのトランスクリプトーム解析

3歳半になった娘と暮らしていると、クレヨンしんちゃん(原作。アニメはほとんど知らない。)は、育児マンガだったんだなと良く思います。昔読んだクレしんの場面が頻繁に脳内再生されます。 生態毒性な分野でのRNA-Seq解析の使われ方について。何か特定の物…

論文のメモ: RNA-Seqの前処理にトリミングは必要ない

タイトル通り。 これまで普通にトリミングしてました。確か(クオリティ)トリミングあり/なしでde novoアセンブリの結果があまり変わらないとかは自分で確認しましたが、mRNA定量への影響はそう言えば検証してませんでした。 こういう「一部では常識」みた…

論文のメモ: ナノマテリアル曝露に共通する遺伝子発現パターンのメタ解析

Burkard M, Betz A, Schirmer K, Zupanic A, 2019, Common gene expression patterns in environmental model organisms exposed to engineered nanomaterials: A meta-analysis, Environ Sci Technol 54(1): 335-344. スイスからの論文。 ナノマテリアルに…

論文のメモ: さよならゲノムペーパー

ある生物のドラフトゲノムをどこに公開しようかと思ってたら、こんな論文見つけました。 Smith DR, 2016, Goodbye genome paper, hello genome report: the increasing popularity of ‘genome announcements’ and their impact on science, Briefings in Fun…

論文のメモ: RNA-Seq論文では条件をちゃんと報告しよう

RNA-Seq Blogで紹介されていた論文。 Simoneau J, Dumontier S, Gosselin R, Scott MS, 2019, Current RNA-seq methodology reporting limits reproducibility, Briefings in Bioinformatics. RNA-Seqをおこなって、生データのリポジトリ場所・前処理ツール…

アセンブラFlyeのインストール

※2019.10.16追記。Flye ver 2.6(2019.09.16~)からPython 3に対応したそうです。タイミング悪かった…。 この記事(MaSuRCAのインストールエラー)の続き。 今度はCanuよりも評判が良いFlyeをインストール。MaSuRCAで苦しんだのでBiocondaでインストールしよ…

論文のメモ: RNAの分解度評価 ~Transcript Integrity Number~

「RNA-Seqデータの特性評価のためのシンプルなガイドライン」 Son K., Yu S., Shin W., Han K., Kang K., 2018, A Simple Guideline to Assess the Characteristics of RNA-Seq Data, BioMed Research International, Article ID 2906292. RNA-Seqのデータは…

論文のメモ: NGSでミトコンドリアDNAの全長解析

D2のWさん関係で、環境DNAに最近興味あり。 「古腹足類のミトコンドリアゲノム全長配列」 Williams S.T., Foster P.G., and Littlewood D.T.J., 2014, The complete mitochondrial genome of a turbinid vetigastropod from MiSeq Illumina sequencing of ge…

非モデル生物のGO enrichment analysisをGOseqでおこなう

RパッケージのGOseq。日本語でも、GOseqの使い方の説明はネット上に散見されます。ただ、多くはヒトなどゲノム情報が手に入る生物種を対象にしていて、いわゆる非モデル生物の場合の説明は見かけません。マニュアルを見ても、コードの例までは書いてません。…

論文のメモ: de novo RNA-seqとマーカー遺伝子探索

国環研で使わせてもらった次世代シーケンサー。N先生のご好意により無償で使わせていただけました。N先生はすごい太っ腹というか、商売っ気がない?感じで、「お試しだから別に良いよ」と言ってましたが、やはりN先生にとってもプラスになる形で成果を出して…

DDBJ pipelineの高次解析

前回の続き。blastxに時間かかり過ぎのため、現在linux PCを他の用途に使えません。 「次世代シークエンス解析スタンダード」(羊土社)という本を読んでたら、遺伝研のスパコンを使って解析できる、という話が。「うちのlinuxと遺伝研のスパコンとの2台使い…

blast+の計算時間

12/6(火)からlinuxのコマンドライン上でlocal blastxをおこなってますが、まだ終わらない…。こんな感じのコマンドを入力してから、もうじき7日経ちます。 blastx -query Trinity.fasta -db nr -max_target_seqs 2 -outfmt 5 -evalue 1e-05 -num_threads 6 -o…

RNA-seqにおけるrRNAの扱い

どういう働きの遺伝子がどれくらい発現しているか、見たいのはmRNA。しかしRNAの大部分はrRNAです。シーケンス前にoliog-dTビーズやらで取り除く操作をおこなっても、全てのrRNAが除去できるわけではありません。 なのでmRNAだけが解析対象なら、dry解析時に…

論文のメモ: de novo RNA-seqはどれくらいデータがあれば論文になるか

de novo RNA-seqデータの解析中。初めてのことだらけで、いろいろと手探りです。 まずはお試しでシーケンスしただけなので、そのデータで論文が書けるとは思ってませんが、じゃあ一体どれだけの(量・質の)データがあれば書けるのか、いまいち分野の常識が…

Ubuntuのアップグレード失敗からの復旧

次世代シーケンサーのデータ解析に、大学で放置されていたLinuxを使い始めました。Linuxはほぼ触ったことがなかったので、解析の入り口に立つまでにかなり苦労しました。 Ubuntuのバージョンは12.04 LTS。 「Ubuntuのアップグレードをしませんか」みたいなメ…

論文のメモ: NGS解析を想定したRNAの固定・抽出方法

「非モデル生物におけるRNA単離ガイド」 Gayral P., Weinert L., Chiari Y., Tsagkogeorga G., Ballenghien M., and Galtier N., 2011, Next‐generation sequencing of transcriptomes: a guide to RNA isolation in nonmodel animals, Mol. Ecol. Resour., …

論文のメモ: NGSのコスト

NGSでのシーケンス費用について。 論文等で報告されているものを整理してみました。IlluminaのHiseqを使ってRNA-seqしたものを対象にしてます。 1US$は110円として計算しました。外注委託の見積もり価格はもっと高くなってるけどなぜ?例えばここでは4Gbで14…

最近読んだ論文のメモ: bioavailability考慮したTIE・底質関連の細菌群集・在来種を用いた毒性試験

「中国南部の都市河川底質におけるTIE: bioavailability考慮」 Yi X., Li H., Ma P. and You J., 2015, Identifying the causes of sediment‐associated toxicity in urban waterways in South China: Incorporating bioavailabillity‐based measearuments i…