備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

2015-01-01から1年間の記事一覧

最近読んだ論文のメモ: SVMによる遺伝子の分類 -影響の大きさ予測-

「影響レベルを分類するエンドポイントとしての転写産物の解析」 de Boer T.E., Janssens T.K., Legler J., van Straalen N.M. and Roelofs D., 2015, Combined transcriptomics analysis for classification of adverse effects as a potential endpoint in…

最近読んだ論文のメモ: AFLPとGLM・q値

AFLPのような0/1データ*1をどうやって量的データと関連付けようか、その参考にした論文。 「低木の燃焼性の違いを説明できる遺伝的要因」 Moreira B., Castellanos M.C. and Pausas J.G., 2014, Genetic component of flammability variation in a Mediterra…

最近読んだ論文のメモ: タバコ吸い殻による生態毒性 その2

この前に続き、タバコ吸い殻の浸出液の生態毒性。 「タバコ吸い殻浸出液のTIE」 Micevska T., Warne M.S.J., Pablo F. and Patra R., 2006, Variation in, and causes of, toxicity of cigarette butts to a cladoceran and microtox, Arch. Environ. Contam…

リスク学

先日学部2年生の講義で、Mさんが講演に来てたので聞きに行きました。「リスク学」というタイトルで2時間ほどの講演でした。 広い視野の話から具体的な話まであって面白かったのですが、学部生は8割ぐらい寝てましたね。自分が学部生だった時を思うと仕方ない…

最近読んだ論文のメモ: 底質の性状と重金属の繁殖阻害毒性

「底質の特性と摂食曝露によって説明される銅の非致死毒性」 Campana O., Simpson S.L., Spadaro D.A. and Blasco J., 2012, Sub-lethal effects of copper to benthic invertebrates explained by sediment properties and dietary exposure, Environ. Sci.…

最近読んだ論文のメモ: タバコの吸い殻やニコチンによる生態毒性

ついこの前、アセチルコリンエステラーゼ阻害を持つ農薬 (カーバメイト系・有機リン系) の毒性が塩分増加に伴って増大することを示す論文をいくつか読んでました。もしかしたらニコチンも同様の作用を示すのではと思い、また論文探し。 「魚類に対するタバコ…

最近読んだ論文のメモ: 除草剤・殺虫剤の毒性と塩分

もしかしたらと思い付きで、高速道路などにおける除草剤の使用について調べてます。今は道路などで除草剤の散布はほとんどされてないだろうとは思いつつ。 あまり情報が見当たらなかったのですが、平成元年の国会質問で高速道路での除草剤使用について触れら…

最近出くわして意味の分からなかった英単語・語句まとめ

英語論文を読んでいて、詰まった英単語・フレーズをピックアップ。英訳はWiktionaryから引用しました。適宜追加。 ado... Doing; Trouble; difficulty; Troublesome business. Ex) He made much ado about it. aliased ... Using more than one name, or bei…

本「ロボットとは何か -人の心を映す鏡」

TV番組「マツコとマツコ」のマツコロイドの製作者・石黒浩教授の新書。 筆者がロボット研究をしている理由・研究における興味の話が最も惹き込まれました(第一章あたり)。もちろん「不気味の谷」や「ロボット演劇」などの各論も面白いです。しかし院生とし…

最近読んだ論文のメモ: 底質のTIE (底質抽出画分をスパイクする場合)

「底質と底質抽出物の毒性評価」 Wiklund A.K.E. and Broman B.S.D., 2005, Toxicity evaluation by using intact sediments and sediment extracts, Mar. Pollut. Bull., 50(6), 660-667. パルプ工場付近の底質の毒性を、ヨコエビMonoporeia affinisによっ…

最近読んだ論文のメモ: 内的増加率rと絶滅確率

「ワムシ個体群の絶滅確率:内的増加率rとの比較」 Snell T.W. and Serra M., 2000, Using probability of extinction to evaluate the ecological significance of toxicant effects, Environ. Toxicol. Chem., 19(9), 2357-2363. 2013年度に卒業したT君の…

学振DC2採用された

学振DC2採用されました!運よく面接免除で。Tスコアは3.4台なので、ぎりぎりだったみたいです。 業績は、論文0・国際学会3・国内学会5なので、かなりしょぼい方だと思います。(てか学会行き過ぎ?)ただ査読中の1st論文があり*1、それを「現在までの研究状…

最近読んだ論文のメモ: transcriptome実験の再現性・河川水に曝露した巻貝のcDNA-AFLP

「Ecotoxicogenomicsにおけるマイクロアレイ実験の再現性:lab間比較」 Vidal-Dorsch D.E., Bay S.M., Moore S., Layton B., Mehinto A.C., Vulpe C.D., Brown-Augustine M., Loguinov A., Poynton H., Garcia-Reyero N., Perkins E.J., Escalon L., Denslow…

日記: シルバーウィーク @鎌倉・ 映画「セッション」

9月のシルバーウィークは、結婚式に出席して、鎌倉に行ったのみ。鎌倉では報告寺で抹茶。やっぱり人混みがすごかった。 映画「セッション」(原題: Whiplash)を観ました。 後味の良くない作品でした。鬼教官のフレッチャーの演技には引き込まれますし、音楽…

最近読んだ論文のメモ: 汚染と遺伝的多様性・野外集団とlab集団の感受性の違い

汚染と遺伝的多様性、汚染と適応adaptation(遺伝的な変化)あるいは順応acclimation(非遺伝的で可逆的な変化)について。 「北極海ヨコエビ集団の遺伝的多様性とレジリエンスに関連した局所的な汚染」 Bach L., and Dahllöf I., 2012, Local contamination…

最近読んだ論文のメモ: 仮説検定の報告の仕方・nMDSデータの示し方

日野明徳, 2015, 環境影響評価における海と陸の同床異夢, 日本水産学会誌, 81(2), 205-205. 「代表生物種」を決めて環境評価をおこなうプロセスは妥当なのか、という問題提起。耳の痛い話です。 静的な現象のみ対象にしていれば、代表種を決めるのもおかしな…

本「海と湖の貧栄養化問題」

浦瀬先生のHPで紹介されていた本*1。早速読んで正解。妄想の広がる良書でした。 山本民次, 花里孝幸, 2015, 海と湖の貧栄養化問題, 地人書館. 水環境での過剰な栄養塩によって植物プランクトンが異常増殖し、アオコや赤潮が発生する、富栄養化。そのピークは…

最近読んだ論文のメモ: omicsデータの用量応答モデル

「omicsデータの用量応答モデル」 Smetanová S., Riedl J., Zitzkat D., Altenburger R. and Busch W., 2015, High throughput concentration‐response analysis for omics datasets, Environ. Toxicol. Chem., 34 (9), 2167-2180. 個体レベルではS字型の曲…

最近読んだ論文のメモ: 環境要因と群集構造の比較法 (CCA, RDAなど)

前回に引き続き、類似度データ解析法の勉強中。 しかしいろんな多変量解析手法がありすぎて、ちょっとパンクしそうです。たくさんの手法をざざっと見る段階は終えて、そろそろ一つ・二つの手法を深く理解しなければ…。 下の総説3つを読んで、基礎理解。 長谷…

最近読んだ論文のメモ: 類似度のグループ間比較法について (perMANOVA, ANOSIMなど)

前回に引き続き、類似度のデータ解析方法を勉強中。特に生態学分野での、群集間における種構成の比較法。どれもあまり真面目には読んでません。 色々読んでると、類似度を算出するためのデータ前処理法が結構バラバラです。log変換、2乗根変換など。 「ヤナ…

東京湾のヨコエビガイドブック

すごい面白いサイト見つけた! 東邦大の東京湾生態系研究センターというところが公開している「東京湾のヨコエビガイドブック」。学部の卒論をもとに作られたみたいですが、いやはや素晴らしいです。 東京湾における生息データとして貴重なだけじゃなくて、…

最近読んだ論文のメモ: 遺伝子発現レベルでのSSD・類似度検定PERMANOVA

「遺伝子発現レベルでの種感受性分布 SSD」 Yan Z., Yang N., Wang X., Wang W., Meng S. and Liu Z., 2012, Preliminary analysis of species sensitivity distribution based on gene expression effect, Sci. China Earth Sci., 55(6), 907-913. Cd, Cu, …

環境毒性学会@東洋大

発表してきました。楽しかったです。修士の時にも参加しておけば良かった。好きな論文の著者を実際に見られるだけで、割とテンション上がりました。 底質毒性が幾度か話題にあがってました。しかしやらなきゃいけないね、みたいな話が中心で科学的な検討はま…

最近読んだ論文のメモ: bioavailability考慮したTIE・底質関連の細菌群集・在来種を用いた毒性試験

「中国南部の都市河川底質におけるTIE: bioavailability考慮」 Yi X., Li H., Ma P. and You J., 2015, Identifying the causes of sediment‐associated toxicity in urban waterways in South China: Incorporating bioavailabillity‐based measearuments i…

最近読んだ論文のメモ: cDNA-AFLPのばらつき・omicsデータのばらつき

「cDNA-AFLPのばらつきの原因」 Weiberg A. and Karlovsky P., 2009, Components of variance in transcriptomics based on electrophoretic separation of cDNA fragments (cDNA‐AFLP), Electrophoresis, 30(14), 2549-2557. cDNA-AFLPのデータのばらつきは…

那須高原でアルパカを見たりカピバラと触れ合ったり

夏休みの旅行で、週末は那須高原へ行ってきました。那須は涼しかったです。朝方は布団をかぶらないと寒いぐらい。 那須動物王国。アルパカ・カピバラともに貴重な放尿シーンを見ることができました(写真参照)。馬に乗るコーナーもあって乗りたかったけど、…

「単純な脳、複雑な『私』」感想

何度も興奮させられました。人に話したくなるネタのてんこ盛りで、しかも読みやすい。著者はプレゼンが上手いんだろうな、と感心させられます。論文が豊富に引用されていて説得力もあります。既に知っている話もありましたが、それでも面白かったです。 もの…

WET2015@日本大に行ってきた

水環境学会の英語版 WET (Water and Environment Technology Conference) に参加してきました。御茶ノ水の日本大学で昨日8/5から今日8/6開催でした。 ありがたいことにポスター賞頂きました。嬉しい反面、特に手ごたえがあったわけでもなく、学会の賞ってこ…

最近読んだ論文のメモ: 遺伝的多様性へのフィードフォワード・汚染への適応・低酸素曝露に対する遺伝子発現

「遺伝的多様性への正のフィードフォワードループ」 Lynch M, 2015, Genetics: Feedforward loop for diversity, Nature, 523, 414-415. ニュース記事。原著(Yang S et al., 2015, Nature)はチラ見のみ。 ヘテロ接合度が高いと突然変異率(mutation rate)…

最近読んだ論文のメモ: AFLPのデータ処理関連(特に閾値の決め方について)

「AFLPのスコアニング方法」 Whitlock R., Hipperson H., Mannarelli M., Butlin R.K. and Burke T., 2008, An objective, rapid and reproducible method for scoring AFLP peak‐height data that minimizes genotyping error, Mol. Ecol. Res., 8(4), 725-…