「人間そっくり」
読んだのは大学生のとき以来。セリフとト書でほぼ構成されていて、安部公房の作品の中ではかなり読みやすいです。1時間くらいで読了。
火星人を題材としたラジオドラマの脚本家である語り部の自宅へやって来た火星人を名乗る男によって翻弄される話。
日常生活というか、常識の感覚、普段は特に疑うことない根本の部分が揺らいできます。ここが面白い。観念的な語り口や比喩の多用は、少し鼻につくことも…。
「砂の女」
こちらも高校生か大学生の時以来。奇妙な環境でも根を張っていく日常生活の力を感じさせる作品。後半では、逃げ出そうとする男よりも、穴の中の生活を受け入れている女の方に共感して読んでいました。