備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: 因果探索の実データへの応用

因果探索の応用について。このへんの記事の続き。

 

Brouillard P, Squires C, Wahl J, Kording KP, Sachs K, Drouin A, Sridhar D, 2024, The Landscape of Causal Discovery Data: Grounding Causal Discovery in Real-World Applications, arXiv:2412.01953.

模擬データではなく実際のデータに因果探索を適用した事例についてのサーベイ論文。生物学、神経科学、地球科学、社会科学、経済学などが対象。因果探索手法のパフォーマンスを評価する指標metricは主に(i)Structural、(ii)Qualitative、(iii)Obesrvational、(iv)Interventionalだと整理しています。Structural metricはground truth(=真の経路)が分かっているときに、推定と真の構造を比較する。Qualitativeはground truthが不明のときに、背景知識からあり得る経路かどうかを判断する。

ベイジアンネットワークで因果探索したScienceの論文(Sachs et al., 2005)の1st authorも著者に入っています。そのSachsのデータをこれまで使ってきた因果探索な論文ではground truth(=真の経路)が研究によって違っているとか。それでこのプレプリントで改めてground truthをアップデートして紹介しています。

AOPと因果推論についての論文(Zhou et al., 2025)でも言及されてましたが、この論文でも"While a gene knockout is usually considered as an intervention targeting a specific gene, in reality, gene knockouts exhibit off-target effects"とあります。ノックアウトは純粋な介入ではないかもしれない。

生物学の項目で紹介されているCRISPRとシングルセルRNA-Seqを組み合わせたPerturb-Seqの存在を初めて知りました。

 

 

 

Cao L, Su J, Wang Y, Cao Y, Siang LC, Li J, Saddler JN, Gopaluni B, 2022, Causal discovery based on observational data and process knowledge in industrial processes, Industrial & Engineering Chemistry Research, 61(38): 14272-14283.

工業プロセスでの因果探索の利用についての総説とケーススタディ。因果探索とは何ぞやという話から、手法の例としてDirectLiNGAMとGFCIを紹介し、工業プロセスの事例に適用。そのケーススタディでは、2つの因果探索手法についてprecision・recall・g-scoreを事前知識あり・なしで比較しています。