次世代シーケンサーの発展により、ショウジョウバエやマウスのようなモデル生物以外の生物種でもRNA抽出をおこなうことが増えました。
モデル生物で確立されたRNA抽出法・前処理法を、他の生物にそのまま適用しても上手くいかないことがあります。そこでモデル生物以外の生物種を使って、前処理条件やRNA抽出条件をいろいろ検討してみたという論文です。
Gayral P., Weinert L., Chiari Y., Tsagkogeorga G., Ballenghien M. and Galtier N., 2011, Next‐generation sequencing of transcriptomes: a guide to RNA isolation in nonmodel animals, Mol. Ecol. Resources, 11(4), 650-661.
へぇーと思ったのは、昆虫や巻貝の体全部*1のRNA固定をおこなう際の前処理です。RNA固定液であるRNA laterにつける前に、昆虫なら体を切断する、巻貝なら殻を除去する、といった処理をしなければRNAがうまく固定できず、分解してしまうようです。甲殻類では、分厚い外骨格のためにそのままだとRNA laterが体内に浸透しないんですね。
2015.05.22追記
似たような論文見つけました。やはりsmall piecesに切断してからRNA固定していますね。
Hillyard G. and Clark M.S., 2012, RNA preservation of Antarctic marine invertebrates, Polar Biol., 35(4), 633-636.
*1:組織の一部分だけじゃなくて。