a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文「HiCEP:高感度・網羅的な遺伝子発現解析手法」

放医研が開発したHiCEP手法(High-coverage expression profiling)。HiCEPという新しい名前を冠してはいますが、手法はほぼcDNA-AFLPそのものです。

Fukumura R., Takahashi H., Saito T., Tsutsumi Y., Fujimori A., Sato S., Tatsumi K., Araki R. and Abe M. , 2003, A sensitive transcriptome analysis method that can detect unknown transcripts, Nucleic Acids Res., 31(16), 94-94.

Araki R., Fukumura R., Sasaki N., Kasama Y., Suzuki N., Takahashi H., Tabata Y., Saito T. and  Abe M., 2006, More than 40,000 transcripts, including novel and noncoding transcripts, in mouse embryonic stem cells, Stem Cells, 24(11), 2522-2528.

 

オリジナルの(cDNA-)AFLPとHiCEPの違いは、制限酵素の種類*1PCRのプライマー配列とアニーリング濃度です。オリジナルのAFLPでは、本当は増幅されるはずのない断片が得られることがあります(偽陽性; false positive)。AFLPはPCRベースの手法なので目的配列以外を増幅するエラーが出てしまうためです。そこで、この偽陽性を少なくするための工夫をしたのがHiCEPです。アニーリング温度を上げれば非特異的な増幅は減少します。その性質を利用して、高いアニーリング温度でも適用可能なプライマーを作成したようです。

このようにあまり元の手法と変わらないのに、全然別ものみたいな名前を付けるのってどうなんでしょう。AFLPという元手法の名前を登場させないと、そこに関心のある読者からスルーされてしまうから、独特な名前をつけ過ぎるのは損な気がしますけど…。

 

*1:HiCEP論文でのメイン酵素ペアはMspIとMseI