詳細は理解していませんが、驚いたことをメモ。
ラマン分光法って遺伝子発現とリンクさせられるほど解像度が高いとは。蛍光分析とは異なり、特別な前処理を要せず(?)そのままの細胞を対象に出来るのは素晴らしい。
Kobayashi-Kirschvink KJ, Nakaoka H, Oda A, Ken-ichiro FK, Nosho K, Fukushima H, ... Wakamoto Y, 2018, Linear regression links transcriptomic data and cellular Raman spectra, Cell Systems 7(1): 104-117.
酵母と大腸菌のRNA-Seqプロファイルと、Ramanスペクトルが対応できるという話。両者はともに高次元データですが、LDA(線形判別分析)で次元削減してみると、両者の関連が見えたという感じ。始めはラマンスペクトルがRNAを直接反映しているのかと思い、衝撃というか信じられんと感じましたが、実際そんな訳はなく、(RNAよりもっと存在量の多い)タンパクとか脂質とか他の分子のプロファイルを反映していて、間接的にRNAプロファイルとリンクできる、という話のようです。それでも十分面白いし、酵母ではmRNAよりncRNAの方がラマンスペクトルと対応しているのも面白いです。
所属先からは閲覧できませんでしたが、続編もあり、そちらではシングルセルRNA-Seqと結び付けています。機械学習で発現データを予測する感じですね。