備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: Zebrafishのマイクロアレイメタ解析

「化学物質曝露後のゼブラフィッシュ胚のトランスクリプトーム:メタ解析

Schüttler A, Reiche K, Altenburger R, Busch W. 2017. The transcriptome of the zebrafish embryo after chemical exposure: a meta-analysis. Toxicol Sci, 157 (2), 291-304.

ゼブラフィッシュ胚を化学物質に曝露させてマイクロアレイ解析した論文全33報のメタ解析。対象とした物質は全60個。全ての曝露物質で共通して発現変動する遺伝子(DEG)があるか、探してます。始め、DEGの選別基準をt検定での有意性としていたけれど、それではばらつきが大きくて共通のDEGは見つからなかったので、効果量 (effect size) を元にDEGを選別したところCa循環関連遺伝子の発現が多くの曝露系で低下していたという結果。Narcosis毒性の論文でも、Ca関連の遺伝子はいろんな物質曝露によって影響を受けやすいと述べられてました。この論文の考察でも述べられてるけど、AOP (Adverse Outcome Pathway) を発展させるためにはこのCa循環のようにどの反応でも出てくるものとspecificなものを区別するのが大事なんでしょう。

t検定ベースではDEGを見つけられないので、単一の遺伝子に基づいた分析でなく複数遺伝子をまとめたエンリッチメント解析やネットワーク分析をやろう、と薦めてるのにこの論文ではそれらをやっていない。。。もしかしたら既に別の論文を準備しているのかも。