「omicsの問題点」
Livingstone S.G., Smith M.J., Silva D.S. and Upshur R.E., 2015, Much ado about omics: welcome to ‘the permutome’, J. Evaluation Clinical Practice, in press.
タイトルのpopさにつられて読んだけど、中身はなさそうです。transcriptomeとかmicrobiomeといった単体のomics手法だけだと様々な問題があるので、組み合わせよう(それをpermutomeと呼ぶことを提案)という話だと思う。どうしてpermutomeだと改善されるのかよく分からなかったです。
「複合毒性の解析へのGLMMの適用」
Iwasaki Y., and Brinkman S.F., 2015, Application of a generalized linear mixed model to analyze mixture toxicity: Survival of brown trout affected by copper and zinc, Environ. Toxicol. Chem., 34(4), 816-820.
マスを用いたCu・Zn混合系の生存試験、そのデータ解析にGLMMを適用した論文。GLM(一般化線形モデル)を適用するのは、サンプルサイズの情報を失わずに解析できるから。従来の手法だと、生存率ベースなので1/10でも10/100でも同等になってしまう。「割算値」のモデリングをやめよう、という話。
交互作用項で、複合毒性を考慮する手法が目から鱗でした。Supplemental dataが整っていて、遊べます。良い教材として使えそうですね。
「統計の間違い」
Nuzzo R., 2014, Statistical errors, Nature, 506(7487), 150-152.
昨年のNatureのニュース記事。中々面白かったです。そもそもp値は「帰無仮説が正しいとした場合に対象のデータが得られる確率」ですが、「仮説が合っている確率」と誤解されていることが多いという話。
図の計算はベイズ推定だと思うのですが、かなり苦戦しました。引用している文献をたどっても良く分からず(ベイズファクター云々が出てくる)、「Rで学ぶベイズ統計入門」の3章を読んで何とか数値を再現できたものの、Rコードを打ち込んだだけなので今度は計算過程がよく理解できないという…。