備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: 複合影響の理解に向けたシステム毒性学

Spurgeon DJ, Jones OA, Dorne JLC, Svendsen C, Swain S, Stürzenbaum SR, 2010, Systems toxicology approaches for understanding the joint effects of environmental chemical mixtures, Sci Total Environ 408(18), 3725-3734.

レビュー論文。少し古いけど見逃していたので、メモ。

異なる化学物質間の相互作用は、3つのパターンがある。1) 生体外での相互作用、2) 化学物質の取り込み・排出に関する相互作用、3) 毒性の生じる部位での相互作用。2)をToxicokinetics、3)をToxicodynamicsと呼んでます。これらを明確に区別せずに複合影響の議論をしている論文は意外とある気がします。でも2)と3)の違いは微妙な場合もあるかな?

2)のToxicokineticsは、例えば、ある化学物質への曝露によって生物膜の透過性や摂餌速度が変わり他の物質の取り込み量が変化するとか、曝露によって解毒酵素の活性が変わる、とか。