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a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

最近読んだ論文のメモ: ブラジルと中国の底質汚染・多変量解析による汚染底質の分類

論文 生態毒性 底質 ノンポイント汚染

「ブラジルにおける下水流出が底質汚染に及ぼす影響」

Abessa D.M., Carr R.S., Rachid B.R., Sousa E.C., Hortelani M.A. and Sarkis J.E., 2005, Influence of a Brazilian sewage outfall on the toxicity and contamination of adjacent sediments, Mar. Pollut. Bull., 50(8), 875-885.

最近気になっている、底質汚染・毒性と下水処理水との関係。(参考:東京湾の底質汚染に関する論文。)ブラジルの下水。塩素処理とし渣(スクリーンに引っかかる大きいごみ)除去のみを施して、下水を海に流しているそうです。2005年の論文ですが。パイプで沿岸から4 km離れたところに放流しているそうですが…。

下水放流先の近辺5箇所から、底質をとってきてヨコエビの毒性試験(10日間)をしてます。採取箇所はそれぞれ1kmほどしか離れてませんが、毒性試験や化学分析の結果は場所によってばらついています。夏・冬の違いも影響。

 

「多変量解析によるPAH汚染底質の特徴化」

Wang Y.B., Liu C.W., Kao Y.H. and Jang C.S., 2015, Characterization and risk assessment of PAH-contaminated river sediment by using advanced multivariate methods, Sci. Total Environ., 524, 63-73.

因子分析factor analysisと自己組織化写像self-organizing map(SOM)、そしてPositive Matrix Fractorization(PMF法)を、PAH汚染底質のキャラクタライズに適用した論文。SOMとPMFがよく分からん、これから勉強していこう。

生データを載せてないのが気に食わないし、ちょっと無理くり解析した感の否めない論文でしたが、勉強になりました。ノンポイント汚染(路面排水)のホットスポット的な箇所が確認されている点は、自身の文献として引用できるかも。

 

「中国珠江の底質毒性原因の推定」

Mehler W.T., Li H., Lydy M.J. and You J., 2011, Identifying the causes of sediment-associated toxicity in urban waterways of the Pearl River Delta, China, Environ. Sci. Technol., 45(5), 1812-1819.

中国の珠江の汚染底質に対して、ユスリカ幼虫を用いた10日間試験。割と毒性が高いです。4倍希釈後でも100%致死率。

Predicted TU(Toxicity Unit)の計算が大分荒い。LC50とPEC(Probable effect concentrations)をごっちゃにして求めています。LC50の実験値がなければKowから予測。

毒性の高かった底質は、ピレスロイド系殺虫剤(Cypermethrin)を比較的高濃度で含んでいた。