備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

論文のメモ: 分解サンプルのRNA-Seq解析パイプラインDegNorm

Xiong B, Yang Y, Fineis FR, & Wang JP, 2019, DegNorm: normalization of generalized transcript degradation improves accuracy in RNA-seq analysis, Genome Biol 20(1): 1-18.

RNAの分解度の指標であるRIN(RNA Integrity Number)。RINはrRNAをベースにしているためサンプル全体の指標であり、遺伝子(転写産物)単位の指標ではありません。そこで、遺伝子(転写産物)単位の分解度の指標としてTIN(Transcript Integrity Number)が提案されていました(参考記事)。しかしTINは異なる遺伝子に対しても均一な分解を仮定していますが、これは現実的ではないとしてこのDegNormが新たに提案されたようです。確かにFigure 1を見ると、RNA分解による影響は領域によってかなり異なっています。ただしFigure 1eはAlternative splicingみたい。

手法の詳細は正直理解できていませんが、異なるサンプル調整法(ホルマリン固定パラフィン包埋FFPEかfresh frozen)やライブラリ調整法(mRNAセレクトかrRNA除去)で検討している点は評価できます。なんとなく良さげなパッケージな気がします。

Rでパッケージが公開されています(Githubページ)。