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a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

H先生の最終講義

日記 研究生活・研究者・論文執筆など

先日H先生の最終講義があって、見てきました。先生の半生記とか、学科の歴史とか、研究に対する哲学とかが聞けるかと思いきや、本当にふつうの講義みたいなのをしていました…。いちおう近年の研究の象徴的な話だったようですが、ちょっと残念でした。まあ、H先生らしいのかも。

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映画「La La Land」

映画

公開初日に観ました。プレミアムフライデーで。

 

まあ面白かったです。でも前評判ほどではなかったかな。 

夢追い人の話。ストーリーはありきたりですが、二人がケンカしてからは、けっこう感情移入しちゃいました。ラストの切ない感じは良かったです。もし、元さやに戻るみたいな流れになったらブチ切れてました。

ミュージカルは、その世界に入り込めていないとキツい時がありますね。冒頭、渋滞で止まっている車からみんな出てきて踊りだすんですが、トラックの荷台を開けたら黒人が太鼓たたきながら踊りに参加してきたシーンは思わず笑ってしまいました。荷台で何やってたんだ。あと、プラネタリウムで浮き上がるシーンも。

軽くdisられてたJohn Legendのバンド。普通にカッコ良かったです。

 

Ost: La La Land

Ost: La La Land

 

 

論文のメモ: 金属曝露とヨコエビの繁殖阻害

論文 ヨコエビ 重金属 生態毒性

前回にひき続き、甲殻類への金属毒性のメカニズム勉強中。

 

ヨコエビの生殖学と内分泌制御についての総説

Hyne R.V., 2011, Review of the reproductive biology of amphipods and their endocrine regulation: identification of mechanistic pathways for reproductive toxicants, Environ. Toxicol. Chem., 30 (12), 2647-2657.

曝露によって繁殖能が低下する原因は、ざっくり言うと脱皮の阻害と卵形成(vitellogenesis)の2つ。でも別にこの2つは独立の現象でもなさそうです。例えば、Y器官から分泌されるエクジステロイドは、脱皮もVitellogenin合成も促進するみたい。繁殖能の阻害の報告が多いのはやはり有機ですが、金属類でもCdによる阻害はヨコエビで報告があるとのこと。

総説の主題ではないですが、ω-3脂肪酸が不足すると産仔数が減少するんじゃないかという話は面白そう(→Hyne et al., 2009; Sundelin et al., 2008)。

 

「金属汚染底質に曝露されたヨコエビの産仔数が減少しても二次卵黄形成は継続される

Hyne R.V., Mann R.M., Dillon C.T., de Jonge M.D., Paterson D., and Howard D.L., 2013, Secondary vitellogenesis persists despite disrupted fecundity in amphipods maintained on metal-contaminated sediment: X-ray fluorescence assessment of oocyte metal content, Ecotoxicol. Environ. Safety, 93, 31-38.

Pbなど金属曝露による繁殖阻害のメカニズムは、亜鉛を含むタンパクであるVitellogenin(VTG)への亜鉛の結合を他の金属が阻止するからではないか、という仮説を検証した論文。亜鉛・銅・カドミウム・鉛をスパイクした底質にヨコエビを曝露させて、卵巣における金属の分布を蛍光X線分析で調べています。既に抱卵したメスと成熟したオスを曝露させてます。

結果、卵母細胞に亜鉛は分布しているし、control系と曝露系で大きな違いはなさそうで、secondary vitellogenesis(別の場所で作られたvitellogeninが卵巣の卵母細胞に取り込まれること?)は汚染系でも進んでいるというものでした。仮説は否定されたということで、他に有りうる繁殖阻害のメカニズムは、脱皮サイクルの遅れやCa摂取阻害(Muyssen et al., 2006)などではないかとの考察。

 

 

 「水生無脊椎動物における金属の毒性・摂取・蓄積―甲殻類における亜鉛

Rainbow P.S. and Luoma S.N., 2011, Metal toxicity, uptake and bioaccumulation in aquatic invertebrates—modelling zinc in crustaceans, Aquatic Toxicol., 105 (3), 455-465.

以前読んだ総説ヨコエビOrchestia gammarellusの話。

中国でヨコエビ飼育法の特許がとられてる

ヨコエビ

いやはや、びっくりした。

ネットサーフィンしてたら、ニホンドロソコエビ(Grandidierella japonica)の飼育法の特許を見つけました。ちゃんと読めてないけど、温度は20~26℃、塩分は10~26にするとか、餌に藻類をあげるとか、そんな感じのことが書かれてます。特許ってこんな分野・内容でもとれるんですね。


この人たち、1998年からこの種に関する論文を出してるみたいですが、全部中国語で、しかもネット上で入手できないという…。なんで英語で書かないのか。

SciRevに投稿してみた

研究生活・研究者・論文執筆など

ここで知ったSciRevというサイトに投稿してみました。

論文を投稿した時の査読にどれだけ時間がかかったか、などの経験談をまとめているサイトです。サンプル数が少ないので、あまり信頼度は高くないです。例えば環境系だと、経験談の最も多い雑誌(Agronomy for Sustainable Development)でも21個の投稿で、次点は9個。たいていの雑誌は1~3個です。まあでも、眺めてるだけで面白いです。 

投稿してしばらく経ってからサイトに反映されます。その間、口コミ内容のチェックを一応しているみたいですね。

 

Editorから理不尽な扱いを受けた時は、ここでネガキャンして憂さ晴らししてやろうかな。

 

論文のメモ: 甲殻類の脱皮と金属曝露

論文 生態毒性 分子生物学 重金属

「オオミジンコのecotoxicogenomicsによって金属毒性のメカニズムが推察できる

Poynton H.C., Varshavsky J.R., Chang B., Cavigiolio G., Chan S., Holman P.S., Loguinov A.V., Bauer D.J., Komachi K., Theil E.C., Perkins E.J., Hughes O., and Vulpe C.D., 2007, Daphnia magna ecotoxicogenomics provides mechanistic insights into metal toxicity, Environ. Sci. Technol., 41 (3), 1044-1050.

オオミジンコをCd・Cu・Zn溶液にそれぞれ1/10 LC50で曝露させて、遺伝子発現をマイクロアレイで調べた論文。昔よく読んだ論文ですが、またキチンに関する箇所を読み直し。

キチナーゼhomologous geneが、Zn曝露の時だけ発現が減少してます。キチナーゼの酵素活性も確かに、同濃度のCdとCuよりZnによって、より活性が阻害されてます。キチナーゼが阻害されると、脱皮が上手くできなくなるので最終的には繁殖能も阻害される(からキチナーゼ阻害は良いマーカーになる?)という議論も。

甲殻類の脱皮はホルモンによって制御されていて、有機物曝露によってキチナーゼ活性が阻害される報告はいくつかあったけれども、金属によってキチナーゼが阻害されたというのはこの論文が初めてじゃないか、とのこと。

  

「オオミジンコの遺伝子発現プロファイリング:NOTEL

Poynton H.C., Loguinov A.V., Varshavsky J.R., Chan S., Perkins E.J., and Vulpe C.D., 2008, Gene expression profiling in Daphnia magna part I: concentration-dependent profiles provide support for the no observed transcriptional effect level, Environ. Sci. Technol., 42(16), 6250-6256.

上記論文の続き。同じくCd・Cu・Zn溶液に曝露させてマイクロアレイ解析をしてますが、1/10 LC50に加えて1/10 EC50とNOECも追加。濃度は1/10 EC50 < 1/10 LC50 < NOEC。

定量PCRでキチナーゼの発現変動を確認してますが(Table S4)、別に亜鉛特異的ではなく、銅曝露でも発現は減少してます。この結果だけ見ると、上の論文のキチナーゼ活性の部分はう~んという感じ。ただこの論文では、いくつかあるキチナーゼhomologのうち一つしか試験してないので、あくまで酵素活性は亜鉛に特異的なんだという可能性はまだあるかも。

Cuticle proteinもCu・Zn溶液によって発現低下しています(Table S3)。

 

 

「転写物プロファイリングによるヨコエビの有害物質応答メカニズム評価

Hook S.E., Osborn H.L., Spadaro D.A., and Simpson S.L., 2014, Assessing mechanisms of toxicant response in the amphipod Melita plumulosa through transcriptomic profiling, Aquatic Toxicol., 146, 247-257.

汽水産ヨコエビの遺伝子発現をマイクロアレイで解析した論文。銅・亜鉛などを個別にスパイクした底質にヨコエビを48時間曝露させ、生存個体の発現変動を調べてます。ただ曝露濃度は物質ごとに違っていて、「銅>亜鉛>ニッケル」の順に毒性影響強い。

キチナーゼやcuticle proteinは銅・亜鉛・ニッケルのいずれによっても発現低下。同様にecdysteroid-regulated proteinの発現も、銅・ニッケルによって低下。キチナーゼはcrude oilとdiesel oil以外の全ての系(ピレスロイド系殺虫剤など)で発現低下しています。

 

 

カドミウムはエクジステロイド含量とキチナーゼ・NAG活性を減少させることで淡水カニの脱皮をさまたげる

Luo J., Pei S., Jing W., Zou E., and Wang L., 2015, Cadmium inhibits molting of the freshwater crab Sinopotamon henanense by reducing the hemolymph ecdysteroid content and the activities of chitinase and N-acetyl-β-glucosaminidase in the epidermis, Comp. Biochem. Physiol. C: Toxicol. Pharmacol., 169, 1-6.

カニの眼柄(eyestalk)を除去してカドミウム曝露。カニやエビの眼柄にはX器官という脱皮抑制ホルモン(MIH)を合成する部位があるため、眼柄を切除すると脱皮を誘導するエクジステロイド(ecdysteroid)の分泌が促進されるそうです。

そんでこの論文では、眼柄除去した個体にカドミウムを曝露させると、脱皮にかかわるecdysoneやキチナーゼ等の体内濃度が減少したことを確認してます。カドミウムの濃度が7.25 mg/L~29 mg/Lと高めですが、LC50は232 mg/Lともっと高め。

甲殻類の脱皮とホルモンとの関連は、総説読んでもうちょい勉強しよう。

 

(追記 2017.03.21)

カドミウムによるカニの脱皮阻害

Rodriguez Moreno P.A., Medesani D.A., and Rodrıguez E.M., 2003, Inhibition of molting by cadmium in the crab Chasmagnathus granulata (Decapoda Brachyura), Aquat. Toxicol., 64 (2), 155-164.

上と同じくカニの眼柄を除去してCdに曝露させた研究。上の研究より詳しくて面白い。Cd濃度を増加させると、脱皮しない割合が増えます。そのメカニズムを探るために、甲皮中のCa濃度と血リンパ中のecdysteroidレベルを測定しています。抜け殻中のCa濃度は、Cd曝露によって統計的に有意には変化せず、ecdysteroid濃度も同様でした。Ecdysteroid合成が始まる前の成長段階で曝露されないと、脱皮への影響は生じなかったという結果も。

 

 

 

(追記 2017.03.06)

「オオミジンコにおける亜鉛摂食曝露の分子レベル・高次レベルでの影響

De Schamphelaere K.A.C., Vandenbrouck T., Muyssen B.T.A., Soetaert A., Blust R., De Coen W., and Janssen C.R., 2008, Integration of molecular with higher-level effects of dietary zinc exposure in Daphnia magna, Comp. Biochem. Physiol. D: Genomic. Proteomic., 3 (4), 307-314.

亜鉛汚染藻類をオオミジンコに食べさせて、遺伝子発現や産仔数を調べた論文。

ユニークなのが、脱皮時期・脱皮率のモニタリングをしてる点です。亜鉛曝露の影響が出たのは2回目(3日後)と4回目(6日後)のみで、他の脱皮には影響していない。

亜鉛曝露によってVitellogeninの発現は変動していなくて、影響を受けたのはcuticle metabolism・chitin bindingとミトコンドリア系。ただ影響を受けた時期が違っていて、表皮関連のものは6日後、ミトコンドリア系は13日以降。

Discussionに "Despite this incereasing evidence that metals can also interfere with molting in crustaceans, it remains unclear whether or not this occurs through similar molecular mechanisms as for organic chemicals (e.g., binding to EcR receptor)."との記述あり。

 

論文のメモ: NGSでミトコンドリアDNAの全長解析

論文 生態系 遺伝 分子生物学 NGS

D2のWさん関係で、環境DNAに最近興味あり。

 

「古腹足類のミトコンドリアゲノム全長配列

Williams S.T., Foster P.G., and Littlewood D.T.J., 2014, The complete mitochondrial genome of a turbinid vetigastropod from MiSeq Illumina sequencing of genomic DNA and steps towards a resolved gastropod phylogeny, Gene, 533 (1), 38-47.

ミトコンドリアDNAは全長16~18kbほどなので、NGSを用いればde novoでも比較的容易に全長解析できるんですね。この論文では150bpペアエンドのMiSeqで4.1Mリード読んでます。

核・ミトコンドリアを一緒くたにしてではなく、ミトコンドリアのみ抽出してます。抽出法は下の論文から。

 

Tamura K. and Aotsuka T., 1988, Rapid isolation method of animal mitochondrial DNA by the alkaline lysis procedure, Biochem. Genetics, 26 (11-12), 815-819.

 

Wさんの研究も、いっそ近縁種含めてミトコンドリアDNAを全長解析すれば、より確実で発展性のあるものにできそう。

論文のメモ: 底質汚染に対するヨコエビの感受性

ヨコエビ 論文 底質 生態毒性

論文のIntroductionに「底質汚染に対するヨコエビの感受性は高いよ」と書こうとしたけど、意外と根拠になるデータがぱっと思いつかず…。正当化できそうな論文を探してみました。 今更ながら。古い論文多め。

 

「サンフランシスコ湾のDDT・ディルドリン汚染地点における底質毒性とヨコエビ密度

Swartz R.C., Cole F.A., Lamberson J.O., Ferraro S.P., Schults D.W., Deben W.A., Henry L., and Ozretich R.J., 1994, Sediment toxicity, contamination and amphipod abundance at a DDT‐and dieldrin‐contaminated site in San Francisco Bay, Environ. Toxicol. Chem., 13 (6), 949-962.

もう20年以上前の論文。昔ちら見したけど、全く内容を覚えてなかった。

カリフォルニアの水路でDDTやディルドリンで汚染された底質をサンプリングし、底生生物叢の調査、化学分析と、ヨコエビE. estuarusの底質毒性試験をおこなった研究。DDTというのが時代を感じさせます。データは結構豊富で、他の生物種の毒性値を使って、底質中物質のTU(固相, 間隙水ともに)を出すなどの力技もしている印象。

野外ヨコエビ密度とlab試験の生存率は、DDT濃度と高い相関を示しているというのがメインン結論。底質中DDT濃度と他種ヨコエビのLC50値を比較して、DDTが怪しいぞ、という話。他の分類群の生物と比較してないので、記事の冒頭の答えにはなってなかったです。

あと、野外で集めたヨコエビのうちGrandidierella japonicaという種のみ、生息密度がDDT濃度と正の相関を示したそうです。室内の生存試験ではG. japonicaの感受性はそれほど低いわけでもないのに、このような結果が出たのは面白い。

 

ヨコエビは原油流出が底生生物叢に及ぼす影響を測る良い指標生物

Gesteira J.G. and Dauvin J.C., 2000, Amphipods are good bioindicators of the impact of oil spills on soft-bottom macrobenthic communities, Mar. Pollut. Bull., 40 (11), 1017-1027. 

1992年スペイン北西沿岸で起きた原油流出事故後の底生生物叢の変化を4年間調べた論文です。詳しくは読んでません。

多毛類は事故後もそれなりに数を保っているど、端脚類ヨコエビは3年目まで中々数が増えない。このような野外調査の話は全然分からないけど、日和見的な多毛類?の存在など面白かったです。データ量はありそうなのに、abundanceの解析メインで多様性の解析とかはしてないのかな(自分が分かってないだけでしているのか?)。

 

「1980年~1983年における南カリフォルニア沿岸での底質環境の変化

Swartz R.C., Cole F.A., Schults D.W., and DeBen W.A., 1986, Ecological changes in the Southern California Bight near a large sewage outfall: benthic conditions in 1980 and 1983, Mar. Ecol. Progress Ser., 31 (1), 1-13. 

 いちばん上のSwartz et al. (1994) と同じEPAグループの論文。野外調査についてよく分かってないので、書いてることを鵜呑みにする読み方しかできてません。1971年以降、湾への汚水の排出量が減少したので、その効果が底質中の有害物質量や底生生物量、種数、そして底質毒性(ヨコエビ10-d試験で評価)にあらわれているかどうか、調べてます。

結果はあまりキレイではなくて、こういう野外調査って大変だなぁと思いました(小並感)。排水の流入地点付近では、soecies richnessやbiomassが増えて、感受性の高い種が戻ってきてたそうです。

 

 

Long E.R., Buchman M.F., Bay S.M., Breteler R.J., Carr R.S., Chapman P.M., Hose J.E., Lissner A.L., Scott J., and Wolfe D.A., 1990, Comparative evaluation of five toxicity tests with sediments from San Francisco Bay and Tomales Bay, California, Environ. Toxicol. Chem., 9 (9), 1193-1214. 

5種の底質バイオアッセイ論文。イガイ・ヨコエビ2種・ウニ・多毛類。

 

 

記事の冒頭のような主張をするには、どの論文もちょっと弱いです。シンプルに、「底質汚染と関連してヨコエビ数の減少が報告されている」くらいのことしか書けないかも。他の種と比較してどうこうっていうのは、やはりきちんとしたデータがないと中々言えない。

非モデル生物のGO enrichment analysisをGOseqでおこなう

R言語 NGS 分子生物学

RパッケージのGOseq。日本語でも、GOseqの使い方の説明はネット上に散見されます。ただ、多くはヒトなどゲノム情報が手に入る生物種を対象にしていて、いわゆる非モデル生物の場合の説明は見かけません。マニュアルを見ても、コードの例までは書いてません。

 

そこで、非モデル生物の場合のenrichment analysisのコード例を以下に書いておきます。

まずBioconductorからGOseqパッケージをインストールします。そして以下を実行。始めにデータセットを作ります。非モデル生物の場合は、GOをあらかじめBlast2GOなどのソフトで取得しておく必要があります(ここでは適当に設定)。

library (goseq)

map_test <- list( gene1=c("GO:0050790","GO:0004197"), gene2=NA, gene3=NA, gene4=c("GO:0005975","GO:0004553"),gene5=NA,gene6= c("GO:0005975") , gene7=c("GO:0005975"), gene8=NA, gene9=c("GO:0004553"), gene10= c("GO:0004553") )

genelist_test <- data.frame( DEgenes=c(1,0,1,0,1,0,1,0,1,1), bias.data = c(500,6110,2000,410,600, 1000, 4500,1200,400,8010)  )  

## DEgenesは発現変動したかどうか(1なら変動)を示す

## bias.dataは遺伝子長

 rownames(genelist_test)<-c( "gene1", "gene2", "gene3", "gene4", "gene5", "gene6","gene7", "gene8", "gene9", "gene10" )

次に長さの補正。

pwf_test <- nullp(genelist_test[,1], bias.data=genelist_test[,2]) 

rownames( pwf_test) <- rownames(genelist_test)

 

最後にgoseq関数でenrichment analysisをおこなう。 ここでuse_genes_without_catの引数をTRUEに設定することが、ゲノム情報のない生物での解析のポイント。

result <- goseq (pwf = pwf_test, gene2cat = map_test , use_genes_without_cat = TRUE, method = "Wallenius")  

なおmethodにWallenius分布以外を用いれば、特に遺伝子長は関係ないので、nullp関数の下りはなくてもenrichment解析ができます(pwf_test <- nullp (...)のコードを飛ばして、最後にgoseq (pwf = genelist, ...)と書く)。

 

結果。 

> result
category over_represented_pvalue under_represented_pvalue numDEInCat numInCat term ontology
1 GO:0004197 0.6636645      1.0000000       1    1    cysteine-type endopeptidase activity MF
4 GO:0050790 0.6636645      1.0000000       1    1    regulation of catalytic activity BP
2 GO:0004553 0.7150671      0.7978634       2    3    hydrolase activity, hydrolyzing O-glycosyl compounds MF
3 GO:0005975 0.9661791      0.3357600        1    3    carbohydrate metabolic process BP

 

 

参考にしたページ:Using goseq on non-model organism - how to define genome?

論文のメモ: 複合影響とtoxicogenomics

Mixtures 論文 生態毒性 分子生物学

「トキシコゲノミクスから観た複合影響

Altenburger R., Scholz S., Schmitt-Jansen M., Busch W., and Escher B.I., 2012, Mixture toxicity revisited from a toxicogenomic perspective, Environ. Sci. Technol., 46 (5), 2508-2522.

総説。勉強会のために読み直してみました。”While the number of mixture studies performed seems quite impressive, none of them explicitly tested mixture hypotheses.”と書いてあるように、この総説を読んでも複合影響のメカニズムは「?」な感じです。

研究状況を知るには良い論文(ちょっと古いかもしれないけれど)。河川水や汚染底質などの環境試料に曝露させた生物のmolecular responseを調べた論文は本当に少なくて(表4)、7つしか挙げられてません。金属類やいわゆる環境ホルモンは、比較的研究が多めです。

 

「ユスリカに対するパーメスリンとCdの複合影響

Chen X., Li H., and You J., 2015, Joint toxicity of sediment-associated permethrin and cadmium to Chironomus dilutus: The role of bioavailability and enzymatic activities, Environ. Pollut., 207, 138-144.

ピレスロイド系殺虫剤のパーメスリンとCdとは拮抗作用を示したが、それは生物体外における影響(bioavailablity変化)ではなくて、生体内での影響だろうとのこと。Cdの添加によって、抱合酵素のGST(glutathione S-transferase)とカルボキシルエステラーゼの活性が促進されて、パーメスリンの解毒も促進されたのではないか、という考察。ざっとしか読めてませんが、複合影響のメカニズムを考察する例として理解しやすい論文です。本当にこれで十分かどうかは、ちょっと分かりませんが。

続報もありました。co-exposure時のぺーメスリン取り込み量の経時変化などを見ています。