備忘録 a record of inner life

やったことや考えたこと・本・論文・音楽の備忘録。 特に環境科学・生態毒性に関して。

2015-01-01から1年間の記事一覧

最近読んだ論文のメモ: SOMでの汚染源推定・GLM・実験室で使用する溶媒のハザード点数

「SOMを用いた底質重金属汚染源の推定」 Pandey M., Pandey A.K., Mishra A. and Tripathi B.D., 2015, Application of chemometric analysis and self Organizing Map-Artificial Neural Network as source receptor modeling for metal speciation in rive…

最近読んだ論文のメモ: 複合毒性のGLMM解析・p値の誤解

「omicsの問題点」 Livingstone S.G., Smith M.J., Silva D.S. and Upshur R.E., 2015, Much ado about omics: welcome to ‘the permutome’, J. Evaluation Clinical Practice, in press. タイトルのpopさにつられて読んだけど、中身はなさそうです。transcr…

水曜日のカンパネラって良いね

最近はまってます。始め観た時はすごいサブカル臭がして嫌だったんですが、はまりました。なんか悔しい。 素人感満載のラップがナンセンスな歌詞とマッチしてますね。「新茶摘まないつまらない奴に!」とかつい言ってみたくなる。「ナポレオン」みたいなメロ…

最近読んだ論文のメモ: cDNA-AFLPの注意点・類似度の算出・泳動のずれ補正

「生態リスク評価において何を守るべきか、常に問い続ける必要」 Iwasaki Y. and Clements W.H., 2015, A Continuous Need To Determine What We Should Protect In Ecological Risk Assessments, Environ. Sci. Technol., in press. 割とタイトル通りのview…

映画「ビューティフルマインド」

ジョンナッシュがなくなったので観ました。彼が出てくる映画ということしか知らず観てました。そしたら、伝記映画というより統合失調症についての映画でした。 中盤からのめりこみました。サスペンス的な要素もあり、考えさせられる要素もあり。終盤は介護問…

最近読んだ論文のメモ: 継代飼育による多様性損失・AFLPの統計解析・その他AFLP論文

「実験室での飼育による遺伝的多様性の損失」 Nowak C., Vogt C., Diogo J.B. and Schwenk, K., 2007, Genetic impoverishment in laboratory cultures of the test organism Chironomus riparius, Environ. Toxicol. Chem., 26(5), 1018-1022. 一般的な毒性…

最近読んだ論文のメモ: 内因性ノイズと外因性ノイズ・Niの毒性機構・AFLPにおけるヘテロ接合度の算出

「単一細胞における確率論的な遺伝子発現」 Elowitz M.B., Levine A.J., Siggia E.D. and Swain P.S., 2002, Stochastic gene expression in a single cell, Science, 297(5584), 1183-1186. 難しくてあまり理解できなかった…。内因性ノイズとかでググると、…

「永すぎた春」 感想

今、何かと話題の三島由紀夫。 東大法学部の郁雄君と、古本屋の娘の百子さんの1年ほどの婚約期間のお話。金閣寺とかに比べたら気軽な作品です。 三島由紀夫の小説は作りこまれた感じがあって、あんまり好きじゃないんですが。いかにも「小説感」が強すぎると…

WelchのANOVAは「分散=0」のデータには使えない

盲目的にWelchの検定をやってしまっていました(参考:こちら)。 WelchのANOVAでは、各群の分散を用いてF値と自由度を求めるから、「分散=0」つまり測定値が全部同じデータには使えないんですね。式で表すと下のようになります。VwがF値。自由度はJ-1とΔで…

最近読んだ論文のメモ: 沿岸域での炭素吸収・UとCdの複合影響・底質の沈降

「海洋生物地球化学:沿岸域の炭素」 Gruber N., 2015, Ocean biogeochemistry: Carbon at the coastal interface, Nature, 517, 148-149. ニュース記事。元になっているのはLaruelleら(2014)の論文。 沿岸域は大気中CO2の大きな吸収源になっているとの報告…

ベイズの定理

「異端の統計学ベイズ」を読んでいて。 最近、ベイズ統計に触れる機会があるのですが、いまいち胸に落ちる感じがしません。数式がダメなら、お話から入ってみようと思い上記の本を読んでみました。 すると、すごい分かりやすい(気がする)。ベイズの定理を…

最近読んだ論文のメモ: Welchのt検定・個体差と環境変動・遺伝子発現と親の産地

「海洋での"閉鎖的な"ネットワーク」 Limardo A.J. and Worden A.Z., 2015,Microbiology: Exclusive networks in the sea, Nature, 522, 36-37. Natureのニュース記事。藻類と細菌の間での物質のやりとりに関する話。藻類の種は同じでも系統strainが変わると…

最近読んだ論文のメモ: UCMとPAHのbioavailability・集団内・間の遺伝子発現のばらつき

「UCMがPAHのbioavailabilityに与える影響」 Du J., Mehler W.T., Lydy M.J. and You, J., 2012, Toxicity of sediment-associated unresolved complex mixture and its impact on bioavailability of polycyclic aromatic hydrocarbons, J Hazard. Mater., …

論文がアクセプトされた

3月にmajor revisionをくらって、4月に再投稿した論文。5月の末にアクセプトされました。やったね!かなりIFの低い雑誌だけど、嬉しいです。 しかし査読者がすごい丁寧というか、教育的というか、ありがたいというか、うるさいというか。再査読の後にも変更…

論文の考察

当時はDiscussion(考察)ってのは結果がなぜそうなったのかを、既存の研究報告を引用しながら説明するもんだと思ってた。でもそれって要するに「わざわざその研究をやらなくても分かってたこと」なんだよね。それを言うのに新たな実験は必要なかった、て言…

最近読んだ論文のメモ: ブラジルと中国の底質汚染・多変量解析による汚染底質の分類

「ブラジルにおける下水流出が底質汚染に及ぼす影響」 Abessa D.M., Carr R.S., Rachid B.R., Sousa E.C., Hortelani M.A. and Sarkis J.E., 2005, Influence of a Brazilian sewage outfall on the toxicity and contamination of adjacent sediments, Mar.…

最近読んだ論文のメモ: 遺伝的変異と遺伝子発現

「遺伝的変異と環境のばらつきが遺伝子発現に与える影響」 Scott C.P., Williams D.A. and Crawford D.L., 2009, The effect of genetic variation and environmental variation on metabolic gene expression, Mol. Ecol., 18, 2832-2843. 魚類などを使った…

本「反社会学講座」

いくつかの人から面白いとの評判を聞いて購入。評判通りの楽しさでした。語りの軽さと視点のエグさ。ただ一冊の本として連続して読むと、同じ調子で少し飽きてしまうかも。 パオロ・マッツァリーノ, 2007, 反社会学講座, ちくま文庫 全20回に分かれた「講座…

最近読んだ論文のメモ: 東京湾底質の汚染・遺伝子発現の個体差

「東京湾底質のLAS・LAB汚染」 Hideshige T., Ishiwatari R. and Norio O., 1992, Distribution of linear alkylenzenes (LABs) and linear alkylbenzene sulphonates (LAS), Estuar. Coast. Shelf Sci., 35, 141-156. 前回に続き、東京湾底質の微量物質汚染…

GWは芝桜を見に行った

今年のゴールデンウィークは、3日にラ・フォル・ジュルネに行きました。5日は秩父の羊山公園に芝桜を見に行きました。 温泉に入ろうかと話していたけど、歩いて行ける場所に無かったので羊山公園からそのまま帰ってしまいました。西武秩父駅じゃなくて、横瀬…

最近読んだ論文のメモ: 東京湾底質の汚染・二枚貝のマーカー遺伝子

「東京湾底質の微量物質汚染のターゲット・スクリーニング分析」 Pan S., Kadokami K., Li X., Duong H.T. and Horiguchi T., 2014, Target and screening analysis of 940 micro-pollutants in sediments in Tokyo Bay, Japan, Chemosphere, 99, 109-116. …

つぶやき

学振を書いて、意識高い系になってます。 てことで、基礎的な自習(専門に直接関係ない分野の学習)の時間を復活させよう。半年くらい前までは、分子生物学や水質化学の教科書を読んでたのですが…。この記事とかこの記事のあたり。 下のツイートを見て、また…

最近読んだ論文のメモ: 雨水と底質とWET・HOCの分配とDO

「雨水と底質の汚染評価における従来・新規の毒性試験手法の役割」 Burton G.A., Pitt R. and Clark S., 2000, The role of traditional and novel toxicity test methods in assessing stormwater and sediment contamination, Crit. Reviews Environ. Sci.…

音楽「Deluxe」

すごい好みのグループを見つけた。 フランスの「Deluxe」というJazz Hip Hopグループ。The Rootsみたいに生バンドの演奏をバックにしているみたいです。 Deluxe - Pony - YouTube 街中で演奏している動画が公式で上がっていました。エッフェル塔を背に演奏し…

最近読んだ論文のメモ: トランスクリプトームによる汚染源の推定

「転写産物のプロファイリングによる水試料の汚染源と汚染影響の同定評価」 Hasenbein M., Werner I., Deanovic L.A., Geist J., Fritsch E.B., Javidmehr A., Foe C., Fangue N.A. and Connon R.E., 2014, Transcriptomic profiling permits the identifica…

実験室の維持管理コストが高い

愚痴。 うちの学科の学生は、ざっくり分けて実験系と解析系に分かれてます。実験系は実験室でピペットやらを使ってデータをとる人たちで、解析系はアンケート調査などでデータをとるか、既存のデータなどを使ってガリガリ計算をしている人たち。 ここ数年は…

本「リスクに背を向ける日本人」

本書のテーマ自体は新しくないのですが、面白かったです。出てくるエピソードや知見が豊富だし、筆者たちの物の見方が新鮮で面白いのでしょう。 山岸俊男, メアリーCブリントン, 2010, リスクに背を向ける日本人, 講談社現代新書 概要 本書は乱暴にまとめる…

最近読んだ論文のメモ: ETCのperspectives(omicsの応用)

「omics手法は環境評価に適用できるか?」 Bencic D.C., 2015, The Challenge: Real‐world application of ‘omics endpoints, Environ. Toxicol. Chem., 34(4), 700-700. Biales A.D., Fritsch E.B. and Connon R.E., 2015, In Response: Integration of ‘om…

八景島シーパラダイスに行ってきた

週末は八景島シーパラダイスに行ってきました。予想以上に盛りだくさんでした。遊園地ですね、あそこは。 いちばん面白かったのは「スーパー イワシ イリュージョン」(写真は撮ってないけど)。5万匹のイワシがアナウンスと同時に一斉に暴れまわる。同じ水…

第49回 水環境学会年会@金沢大

行ってませんが、年会講演集をゲットしたのでざっと見てみました。 面白そうだった研究と思ったことをメモ。 海面ミクロ層(Sea Surface Microlayer; SML)の微生物に着目した研究(2-C-09-4)。なんでも海面の最表層わずか1 mm未満の層のことをSMLと呼ぶそ…